パート2って、苦手。
分かるわ。パート2は直球勝負だけじゃむずかしいパートなのよね。
今回は直球と変化球、両方の解き方を教えるわね。
え、直球と変化球があるんだね。
野球みたい。
ぜひ知りたいわ。
TOEIC パート2は3択なので簡単そうに見えるものの、意外と苦手な人も多いパートです。
というのも、素直に回答すれば正解になる「直球問題」とクセがある「変化球問題」があり、この変化球問題のコツをつかむのが難しいため。
実は私も脈絡のない文章が流れてくるパート2が苦手でしたが、変化球のコツが分かってからは一気に点数アップしました。
今回はパート2で点数アップが狙えるよう、記事前半では7個の問題パターンを紹介し、後半では4個の変化球対策を解説していきます。
パート2はコツが分かれば一番点数を取りやすいパート。
上手に攻略して、得点源にしていきましょう!
TOEICパート2の問題構成を確認しよう
まずはパート2の問題構成のおさらいから。
TOEICパート2は、会話の中から突然切り抜かれてきたかのような一文が音声で流れてきて、それに対する「自然な」返答を選ぶという問題形式です。
問題は全部で25問あります。
問題・回答候補とも印字されておらず、問題用紙には “Mark your answer on your answer sheet.” 「解答用紙に答えをマークしなさい。」とだけ書かれています。
具体的にどんな問題が流れてくるのか、直球問題と変化球問題、それぞれのパターンを見ていきましょう。
TOEICパート2の直球問題の例
まずは素直に答えられる直球問題の例。
【直球問題例】
“Where is the new fax machine?”
【選択肢】
A: Next to the water fountain.
B: I will send fax tomorrow
C: By Wednesday
音声は下記ページから聞くことができます。
参照元:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC Listening & Reading Test サンプル問題No.7
「新しいファックスマシーンはどこ?」という質問に対する回答なので「A :水飲み器の隣だよ。」が正解になりますね。
この問題は “Where” という最初の疑問詞に対し、素直に「場所」を指す選択肢を選べば解ける直球問題です。
なおBとCの回答は “Where” を “When” と聞き間違えることを想定して作られていることが推測できます。
こういった疑問詞トラップはよく使われるので、注意してくださいね。
TOEICパート2の変化球問題の例
次に素直には答えられない変化球問題例です。
【変化球問題例】
“Mariko announced that she’s retiring in April.”
【選択肢】
A: How many did you count?
B: I am not tired at all.
C: Right, she’s been here for 25 years.
音声は下記ページから聞くことができます。
参照元:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC Listening & Reading Test サンプル問題No.10
「まりこは4月に定年退職すると言いました。」という言葉に対して自然な返事を選ぶ必要があります。
Aは「あなたはいくつ数えましたか?」という返事なので、不自然ですよね。
【不正解例:選択肢A】
“Mariko announced that she’s retiring in April.”
“How many did you count?”
ですがもし「まりこは何年間働いていたの?」という文章であれば正解になります。
このように選択肢Aは回答者が間違えて解釈することを期待して作られたものだと予想できます。
Bは「私は全く疲れていません。」という返事なので、これも不自然。
【不正解例:選択肢B】
“Mariko announced that she’s retiring in April.”
“I am not tired at all.”
ここにもトラップが隠されているのですが、気づきました?
“retire” と響きの似た “tire” という単語を織り交ぜることで、間違った回答を選ぶように誘導しているんですよね。
最後に正解の選択肢Cですが、これは「そうよ。彼女はここで25年間働いていたのよ。」という意味になります。
【正解例:選択肢C】
“Mariko announced that she’s retiring in April.”
“Right, she’s been here for 25 years.”
会話として自然ですよね。
このように変化球問題は、先ほど見た直球問題のようにストレートに返事をすれば良いわけではなく、回答を選ぶときに「自然さ」を意識する必要があります。
確かに説明されたら分かるけれど、でもムズカシイわ。
僕にはよく分からないや。
自然に答えるって言われても・・・
大丈夫。
慣れていけば解けるわ。
それに変化球問題にはパターンがあるの。
え、教えて!
もちろん。
でもまずは問題文のパターンから紹介していくわね。
パート2問題文の7つのパターン
まずは最初に流れてくる文の7つのパターンを解説していきます。
疑問詞で始まる場合が圧倒的に多いですが、他にもいくつかパターンがあります。
パターン① 5W1Hの疑問詞
まずは基本の5W1Hの疑問詞からおさえていきます。
【疑問詞一覧】
疑問詞 | 意味 |
---|---|
Who | だれ |
What | 何 |
When | いつ |
Where | どこ |
Why | なぜ |
How | どのように |
Howにはさらに “How many” “How much” “How long” など色々なバリエーションがあります。
テストの実施回によって異なりますが、この疑問詞パターンはパート2全体の4割~5割を占めるほど頻出。
最初の疑問詞を聞き取れれば答えられる問題も多いので、ぜひ取り落とさないようにしていきましょう。
先ほど【TOEICパート2の直球問題】の例でも見てきた通り、あえて疑問詞を聞き逃すことを想定した回答が準備されていたりもします^^;
もったいないミスをしないよう気を付けてくださいね。
パターン② 提案・依頼・許可の文
次に提案・依頼・許可の文をみていきます。
これは次のようなフレーズから文が始まります。
【提案・依頼・許可の文】
意味 | 例 |
---|---|
提案「~しませんか?」 | Shall we |
Why don't / Why not | |
How about | |
依頼「~してもらえますか?」 | Would you ~? |
Could you ~? | |
Can you ~? | |
許可 | Do (Would) you mind ~? |
Can I ~? |
なお、許可をもらいたい時に使用する言い方である “Do you mind” の “mind” は「気にする」という意味の動詞です。
“Yes” で返事をすると「気になるよ(いやだ)」という意味になってしまうので要注意。
「気にしないよ。(いいよ)」と返事をするときには ”No” や “Sure” で返事します。
【mindを使った会話例】
“Would you mind helping me move the table?”
「机を動かすのを手伝ってくれませんか?」
“Sure.”
「もちろん(手伝うよ)」
パターン③ Yes/Noで答えられる疑問文
では次にYesまたはNoで答えられる文章を見ていきましょう。
これは “Do you” や “Be動詞+主語” で始まる文章ですね。
たとえば、”Do you have time to check the document? (書類をチェックする時間ある?)”といった形になります。
こういった文のときには “Yes, I do.” ”No, I don’t.” といった教科書に出てくるような選択肢を予想していると裏切られます。
正解の例としては「もうすぐ出なきゃいけないの。」というのが考えられますし、難しいパターンでは「メアリがチェックするって言っていたわ。」といったものもアリ。
柔軟に答えるようにしていきましょう^^
【Do you を使った会話例】
“Do you have time to check the document?”
「書類をチェックする時間ある?」
“I have visitors this afternoon.”
「今日の午後は来客があるのよ。」
パターン④ 付加疑問文
付加疑問文は “isn’t it?” といったものが文の最後につき、それによって「~だよね?」という相手の同意を促します。
あまりなじみのない形かもしれませんが、「自然な」回答を選ばせるというTOEICパート2の意図に沿っているためか、1~2問ぐらい入っている可能性があります。
具体的には次のような文になります。
【Be動詞の不可疑問文例】
She is pretty, isn’t she?
「彼女はキレイだよね。」
【一般動詞の不可疑問文例】
He lives in Osaka, does he?
「彼は大阪に住んでいるんだよね。」
“Yes” “No” が省略されていることすらよくありますし、あえて正解ではない選択肢に ”Yes” “No” を付けて間違いを誘導してくる場合もあります。
文の形に惑わされず、意味から回答を選ぶようにしてみてくださいね。
パターン⑤ 否定疑問文
否定疑問文は “Don’t you” といった形ではじまり、それによって「~だよね?」と不可疑問よりも強く相手の同意を促します。
あるいは「そうじゃないなんて信じられない!」といった驚きを表現します。
具体的には次のような文になります。
【Be動詞の否定疑問文例】
Isn’t she pretty?
「彼女はキレイだよね?」
【一般動詞の否定疑問文例】
Doesn’t he live in Osaka?
「彼は大阪に住んでいないの?」
「彼は大阪に住んでいないの?」という文の中には「大阪に住んでいると思っていたのに!」という驚きが含まれています。
否定疑問の回答も “Yes” “No” に惑わされずに回答を選んでいきましょう。
パターン⑥ 選択疑問文
選択疑問文は2つの選択肢の中から選ばせる問題です。
「A または B のどちらがいい?」といった形で出てきます。
たとえば、こんな形で答えることができます。
【選択疑問文の会話例】
“Would you like to stay here or go out for lunch with me?”
「ここにいる、それとも一緒にお昼を食べに行く?」
“Either will be fine.”
「どちらでもいいわ。」
返事には次のような単語が良く使われます。
- Both (両方)
- Either (どちらか一方)
- Neither (どちらもでもない)
パターン⑦ 平叙文(疑問文ではない場合)
平叙文は疑問文ではない普通の文です。
最初の【TOEICパート2の変化球問題の例】でも次のような平叙文を紹介しましたね。
【平叙文の会話例】
“Mariko announced that she’s retiring in April.”
「まりこは4月に定年退職すると言っていたね。」
“Right, she’s been here for 25 years.”
「ええ。彼女は25年間、ここにいたのよ。」
なお平叙文に対して、答える側が疑問文を使うこともあります。
上記の例であれば「まりこは4月に定年退職すると言っていたね。」という文に対して、「なぜ、あなたはそのニュースを知っているの?」という疑問文で返すような感じです。
以上、パート2の7個の問題文パターンを見てきました。
問題文のパターンは分かったけれど、やっぱり答え方がよく分からないわ。
そうよね。
素直に答えられる時と、そうでない時があるのよね。
素直じゃない時がむずかしいや。
それじゃ、いよいよ返答のパターンを紹介するわね。
変化球の返し方に慣れていきましょう!
TOEICパート2の攻略法:変化球の4つのパターン
問題文のパターンを見てきたところで、次に答え方に進みます。
素直に答えられない変化球の4つのパターンを解説していきますね。
変化球返答パターン① 「知らない」
まずは聞いている内容に対して「分からない」という答え。
たとえば、次のような文が考えられます。
【変化球パターン『知らない』】
“Where will be the seminar held?”
「そのセミナーはどこで開催されるの?」
“I don’t know anything about that.”
「それについては、何も知らないんだ。」
セミナーの開催場所を聞かれ、「私はそれについて何も知らない。」と返事をしています。
「知らない」以外にも「思い出せない」や「確信が持てない」と答える場合も。
【変化球パターン『思い出せない』】
“Do you know Akiko’s address?”
「あきこの住所を知っている?」
“I can’t remember it.”
「思い出せないな。」
「これだ!」と選ぶのではなく、他に適した選択肢がない場合に「それならこれだろう」と消去法で選んでいくような感じになります。
変化球返答パターン② 「今答えられない」
これは「即答はできない」「他の人に聞いて」というパターンです。
【変化球パターン『他の人に聞いて』】
“Where will be the next meeting held?”
「次の会議はどこで開催されるのだろう?」
“Ask Betty.”
「ベティに聞いてみて。」
「ベティに聞いて」という返事を例に出しましたが、他にも「後でチェックするわ。」といったパターンもあります。
ちょっとむずかしそうですが、これだけ見れば「そういう答えもある」と納得できます。
ですが、たとえばこの問題の中に次のような回答の選択肢が入っていたらどうでしょう?
【変化球パターン『他の人に聞いて』不正解例】
“Where will be the next meeting held?”
「次の会議はどこで開催されるのだろう?」
“No, it was held in Paris.”
「いいえ。それはパリで開催されます。」
ですがこの選択肢は不正解。
先頭に “No” と入っている上、過去形として既に終わったことになっているからです。
疑問詞と関連する単語が回答に入っていても正解とは限らないことをぜひ心にとめておいてくださいね。
変化球返答パターン③ 「質問で答える」
平叙文に対して質問で返すパターンもあります。
【変化球パターン:質問返し】
“We changed our supplier last month.”
「私たちは先月、業者を変えたの。」
“Were there any problems with the old one?”
「以前の業者に何か問題があったの?」
業者を変えたという言葉に対して「前の業者に何か問題があったの?」と質問で返しているパターンですね。
他にも質問に対して質問で返す、といった場合もあります。
変化球返答パターン④ 「まだ決まっていない」
最後に紹介する変化球パターンは「未決定」です。
【変化球パターン:未決定】
“Where is your new office?”
「新しいオフィスはどこですか?」
“It hasn’t been decided yet.”
「まだ決まっていないのです。」
先ほども見てきましたが 、最初の文に”Where” や “When” といった疑問詞がついているからといって、必ずしも場所や時を示す選択肢が正解とは限りません。
このように「まだ決まっていない」「まだ申し込んでいない」といった返答が正解であることもあります。
以上、変化球の4つのパターンについて紹介しました。
共通して言えることは「質問に返事をする」という狭いくくりで考えず、「会話として自然な流れ」を意識して選ぶ必要がある、という点です。
なんだか、変な返事のパターンが分かってきた気がする。
『勉強しなさい』って言われて、『今日は疲れているんだ』って答えるような感じだよね。
そうそう!
くまたくん、ばっちり。
えへへ。
『今日はもうたくさん勉強したよ。』という返事が聞きたいものだわ。
くまみさんも、ばっちりね!
それも『勉強しなさい』への自然な回答だわ。
パート2の答え方、だいぶ分かってきたわ!
ただやっぱり、本番に備えてもっと練習をしておいがほうが良い気もするわ。
ちゃんと解けるか、まだ不安で・・・
そうよね。
それじゃ点数がアップする勉強法を紹介するわね。
パート2の点数を上げる勉強法
ここまでTOEICパート2の問題文と返答のパターンを見てきました。
あとは実際にある程度問題を解いていくことで慣れることができますし、また耳も鍛えていけます。
そのためには、まずは公式TOEIC問題集やお手持ちのTOEICの模試の本を解き、そのあとパート2の問題と解答を音読したり、何度も聴いたりするのが効果的。
リスニング力の鍛え方はこちらの記事も参考にしてくださいね。
鋭い方はお気づきかもしれませんが、正しくない選択肢にもパターンがあります。
たとえば問題文の中にある単語を、あえて返事の中にいれてきたりするトラップは非常によく使われますね。
勉強の時点でこうした不正解の文に数多く触れておくと、本番でトラップに引っかかりにくくなりますよ。
なお「公式問題集だけでは足りない!」「もっとガンガンパート2問題を解きたい」という場合にはこちらの問題集がおすすめ。
パート2に特化した問題が600問、正確には628問も入っています。
これだけの問題をこなせば、パート2の独特の雰囲気はしっかり体得できるはず。
ちなみに著者の大里さんはTOEIC講師ではなく企業に勤めるサラリーマンですが、TOEICへの情熱が高じて社内でTOEICのメルマガまで発行しているそうです。
そんな大里さんの想いがこもった問題集を解ききれば、パート2を解く力をガンガン上げて行けるでしょう。
パターンが分かったら、あとは実践あるのみってことね。
そう!
パート2は慣れたら、一番点数が取りやすいパートだと思うわ。
それになんといってもパート2の選択肢は3問だから、正解率は33%よ!
それってすごいね!
二択にしぼるだけでも、正解率が50%になるってことね。
がんばるわ!
まとめ
今回はTOEICパート2について見てきました。
■最初の文には次のパターンがあります:
①5W1Hの疑問詞(※特に最初の疑問詞の聞き逃しに注意しましょう。)
②提案・依頼・許可の文
③Yes/Noで答えられる疑問文
④付加疑問文
⑤否定疑問文
⑥選択疑問文
⑦平叙文
■回答のパターンには素直に回答できる直球問題とコツと慣れが必要な変化球問題があります。
変化球の返答には次のパターンがあります:
① 「知らない」
② 「今答えられない」
③ 「質問で答える」
④ 「まだ決まっていない」
■パターンがつかめたら後は模試の本や問題集で慣れていきましょう。
パート2は慣れてしまえば、長文を聞いたり読んだりすることなく点数を取っていけるおいしいパートでもあります。
ぜひあなたの得点源にしていきましょう!