はぁ。。。
お母さん、どうしたの!?
最近、勉強しても点数が上がらなくて。
おかげでモチベーションも下がってきちゃった。
これじゃだめだって分かっているのだけど。
くま美さん、心配しないで。
スコアが伸び悩むのは当然よ。
えっそうなの!?
TOEICは多くの人が「伸び悩み」を経験するテストです。
頑張っても報われないと、ヤル気がなくなります・・・
今回はこの「停滞期」の原因を明確にした上で、私自身も試して効果があった究極のモチベーション維持対策をお伝えしますね。
「伸び悩みがツライ!」という時期に、ぜひお役立てください。
TOEICスコアが伸び悩む原因
実はTOEICに限らず新しく何かを習得する際には「思ったように成果が得られない停滞期」が、高確率で訪れます!
これに加えて、TOEICは勉強時間しただけスコアが伸びる仕組ではなく、高得点帯になるに従って点数が上がりにくくなるように作られているテスト。
このダブルパンチにより、高得点を目指す学習者の多くが勉強意欲の低下時期を経験することになるのです。
学習プロセスとTOEICの仕組み、それぞれ詳しく見ていきましょう。
学習プロセスの仕組み
新しいことを習得する際には、3つのステップが必要だと言われています。
最初は知識やスキルを磨く【蓄積期間】、次に学んだ成果が目に見えてくる【成長期間】、最後にさらなる成長のための【準備期間】。
TOEICの勉強でも、この3つの期間が必要となります。
この準備期間の間は成長が止まったかのように見えるため「伸び悩み期」「停滞期」と解釈されてがちです。
ですが準備期間の後は、また成長が目にみえるようになります。
この学習プロセスを視覚的に説明したのがS字状の学習曲線と呼ばれるこちらのグラフ。
【S字状の学習曲線】
「点数が伸び悩む」のは、さらなるスコアアップのための準備期間なのですね。
頑張っても成果がでないと「自分の頑張りが足りないんじゃないか」とか、「どうせ勉強してもムダじゃないか」とネガティブな気持ちにもなります。
ですが「こういった時期は、さらなる飛躍のために必要」と捉えておきましょう。
ちなみにこのS字曲線、中高生向けの学習塾でも生徒の成績伸び悩みを説明するために用いられています。
どうやら「伸び悩み時期」でもあきらめずに学習を続けられる生徒ほど、壁を乗り越えたとき、大きく成績を伸ばしていく子が多いそうですよ^^
TOEICスコアアップの仕組み
TOEICスコアの伸び悩みには、TOEIC独特の仕組みも影響しています。
TOEICテストは、勉強時間に比例して順調に点数が上がっていくテストではないのです!
ちょっとこちらの表を見てみてください。
TOEICスコアを100点上げるのに必要な勉強時間を記したもので、縦軸が現在のTOEICスコア、横軸が目標のTOEICスコアになります。
引用元:Oxford University Press
“A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success” p.6
元のスコアの点数によって違いはありますが、750点を超えたあたりから、点数をのばすために必要な勉強時間が増えていますよね。
たとえばTOEIC550点の人がスコアを100点アップして650点を取るには、225時間の勉強が必要。
この人がそこから100点上げて750点を取るには、同じく225時間を要します。
ところが、そこからもう100点上げて850点を取るには275時間が必要に!
つまり高得点帯になると同じだけスコアを上げるために、より多くの勉強時間が必要になるということになります。
なるほど。
点数が伸びない理由は、そういうことだったのね!
でもなんで、点数が上がると、もっとたくさん勉強しなきゃいけなくなるの?
一番の理由は、パート7の長文読解対策に時間がかかるからだと思うわ。
最後のあの、山ほど長文が出てくるパートね!
そう。
750点以上の高いスコアを取るには、長文読解を時間内に全て解きおえるスキルが必要になってくるわ。
でも長文読解力を上げるには、それなりに時間がかかってしまう。
分かるわ。
ちょっと頑張っただけじゃ、なかなか速く読めるようにならないもの。
最後のラスボスを倒すには、たくさんレベルアップをしなきゃダメってことだね。
モチベーションアップ対策
でもさ。
勉強しても成果が出にくい時期があるって分かったら、ちょっと気がラクになるよね。
まあ、そうね。
私のやり方がダメなわけじゃないって思えるし。
うん。
学習曲線と、テストの仕組のせいだよね。
そういえば、こないだ僕のテストの点数が悪かったけど、あれもきっと、学習曲線のせいかも。
きっと成長のための準備期間なんだよ。
くまた、それは別問題よ。
学習曲線どころか、あなた、学習なんてしていなかったわよね?
次はちゃんと勉強するのよ!
はぁい。
ちぇっ、ヤブヘビだったなぁ。
ところで点数の伸び悩みの仕組みはわかったけど。
でもやっぱり、下がっちゃったモチベーションを上げるのは大変だわ。上手にモチベーションを維持するのって、どうしたら良いの?
いくつかおすすめの方法を紹介するわね。
SNSで英語アカウント(英語垢)を作る
独学で勉強を続けるのは精神的に大変ですし、いつでも勉強をやめてしまえる、という甘えも出てきがちです。
そこでおすすめなのが、英語やTOEICのこと、学習の記録などをTwitterで報告する手法。
こういった勉強用のTwitterアカウントを「英語垢」と呼んだりします。
「がんばっている仲間がいる!」「学習記録を報告しなきゃ」という気持ちになることで、勉強を続けるモチベーションを維持できます。
それにTOEICのことを発信しているアカウントをフォローしておけば役立つ情報も得られますよ。
フォロー用におすすめのアカウントを2つ紹介しますね。
TOEIC運営団体のアカウントです。
TOEICテスト情報や英語のミニ知識など役立つ情報が配信されています。TOEICを受けるなら、フォローしておくことをおすすめします。
テスト申込期限直前になるとこんなカウントダウンが始まったりするので、申し込み忘れ防止にもなりますね。
【締切間近】
第241回TOEIC L&R公開テスト【6月23日(日)】のお申し込みは本日5月14日(火)15:00まで!
お申し込み忘れにご注意ください!令和元年、気持ちも新たにチャレンジしてみませんか?#TOEIC #令和
— TOEIC (@TOEIC_japan) 2019年5月14日
TOEIC試験にはまず出ることはない英語表現が紹介されています。
たとえば、こんなフレーズですね。
「車掌が恋に落ちたため、電車が2時間以上遅れた。」
“The train was delayed for more than two hours, because the conductor fell in love.”
車掌が恋に落ちたため、電車が2時間以上遅れた。#遅延 #電車遅延 pic.twitter.com/QHsuS3hw0u
— 出ない順 試験に出ない英単語 (@NISE_TOEIC) 2019年5月7日
「こんな英語、絶対テストに出ない!」というものばかりですが、使われている英単語や文法自体はTOEICに良くでるものだったりします。TOEICの問題の中では車掌は恋に落ちませんが、天候などの影響で交通機関はよく遅延します。
こちらのアカウントをフォローしておけば、楽しみながら役立つ英単語を学べますね^^
なおTwitterは匿名でアカウントを作ることができるので「実際の知り合いとはあまりつながりたくない」という人にも安心です。
スマホアプリで勉強時間を記録する
次なるモチベ対策は、勉強時間の記録。
勉強時間を記録していくことで、勉強の成果ではなく、きちんと勉強をつづけたことに達成感を感じてモチベーションを維持しやすくなります。
手動で記録を付けるのは大変ですが、スタディサプリ English TOEIC対策コースを使えば、勉強時間をスマホに記録できます。
無料版でも自分の勉強時間を記録していったり、お試しの動画を見ることができます。
有料版にすると、色々とお得なコンテンツを利用することができますよ。
スタディサプリの活用法を書いた記事もあるので、良かったら参考にしてくださいね。
目標を紙に貼って毎日見る
最後に紹介するモチベーション維持方法は、目標を紙に書いてみることです。
ハーバード大学での研究結果によると、将来の目標を紙に書いた学生と書かなかった学生では、なんと10年後の年収に10倍の差が開いたそうです!
なぜ紙に書くと達成しやすくなるかといえば、「目指す場所」が明確になるため。
さらに、その紙を見えるところに貼っておくことで、私たちの潜在意識に目標がすりこまれていくというすごい効果があります。
実は私も、この話を聞いてから、目標を紙に書いて貼るようにしています。
TOEICや英検の勉強をしていたときは、こんな紙を貼っていました。
この紙を貼ってから4カ月後にTOEIC960点を取り、3ヵ月後に受けた英検で1級を取得しました。
効果アリでしたね^^
もちろんTOEICや英語以外の色々な目標達成にも使えますよ。
なお紙に書く際にひとつ注意点があります!
願望は「取りたい」のように書くのではなく、「取る」と現在形で書くようにしましょう。
「取りたい」では、私たちの潜在意識が「出来たら良いけれど、できなくても仕方がないなぁ・・・」と解釈してしまう危険性があるそうです。
ですが「取る!」と現在形で書くことで、「確実にそこに向かっている」と潜在意識に伝えられるのだとか。
お金も時間もかからない方法なので、ぜひ一度試してみてくださいね。
究極のモチベ対策:勉強習慣を作ろう
まぁ、色んな方法があるのね。
とりあえず、紙に書いてみようかしら。
それが一番すぐできそうだね。
でもやっぱりモチベーションって、やっぱりメンドウだよね。
放っておくと下がっちゃうもんね。
たしかに。
そもそもモチベーションって、翻訳すると『動機付け』という意味なの。
何かをする動機をわざわざ付けてあげるってことね。
でも実は、がんばって動機付けをしなくても、決めたことを確実に続けられる究極の方法があるのよ。
えっ!
どんな方法?
それは、習慣の力を利用する方法。
ちょっと手間はかかるけど、強力よ!
習慣の力?
習慣の力
私たちは「習慣」に沿って日々生活をしています。
たとえば毎日同じ時間に起きるのも、ご飯を食べるのも、お風呂に入るのも、習慣になっています。
習慣はもちろん生活していく中で身についていきますが、あとから作り出すこともできます。
たとえば毎晩同じ時間帯にお酒を飲む晩酌の習慣って、子供にはないですよね^^;
また昔は歯磨き粉を使う習慣なんて定着しておらず、歯磨き粉は一部の人にしか使われていませんでした。
ですが「習慣の力」に目をつけたアメリカのある目ざとい歯磨き粉メーカーによって、この習慣が広まっていったのです。
習慣は身に着けるまでに時間がかかりますが、一度身につくと何も考えずにその行動をとってしまうというすごいパワーを秘めているんです!
つまり、何か続けたいことがあればそれを習慣化してしまうのが一番確実というわけですね。
なお習慣の力や習慣化について詳しく知りたい人には、こちらの本がおすすめ。
この本を読むと、物が売れる仕組から病気の治療まで、すべてに習慣の力が使われていることが分かります。
私たちは自分たちの意志で日々の行動を決めていると信じていますが、実はすべて無意識の習慣によって行っているのです。
TOEICを勉強する習慣の作り方
へえ。
習慣って、すごい!
たしかに、習慣にしてしまえば、考えずに続けられそうね。
でも・・・どうやったらTOEICの勉強を習慣にできるのかしら。
コツは3週間ルールよ!
習慣の作り方は諸説ありますが、とりあえず「3週間の間、同じ時間にことをする」のがひとつの手。
これはマクスウェル・モルツ博士によって提唱された説です。
形成外科医であった博士は、整形手術後を行った後、患者は21日間で新しい顔に慣れることを確認しました。
こういった経験を基に、習慣によって自分を変える方法を説いていますが、博士の説はダン・ケンディなど超大物ビジネスパーソンにも支持されています。
詳しく知りたい場合は、ぜひモルツ博士の本を一冊読んでみてください。
とりえあずTOEICの勉強を習慣にしたい場合には、21日間、同じことを繰り返してみましょう!
すると3週間後には、勉強しないでいると罪悪感を感じるようになってきます。
つまり勉強しない苦痛のほうが、勉強をする大変さよりも、耐えがたくなってくるわけですね。
「本当かなぁ?」と思われるかもしれませんが、実はこの方法、私が開催していた英語塾でも紹介して効果がありました。
勉強が習慣化した例
以前開催していた英語塾には、「もう一度英語をがんばろう」と努力していたものの勉強が続けられないという悩みをもつ生徒さんがいました。
そこで「まずは7日間だけ、英語で日記をつけてみましょう。」と勧めました。
21日間とちょっと長すぎると感じたので、最初は7日間にしてみたのです。
すると彼は「1週間ぐらいなら出来そう。」と応じてくれました。
それから1週間後。
この生徒さんはきちんと日記を続けていたので期間を21日に伸ばしました。
3週間後にチェックしてみると、彼はちゃんと日記を書き続けていたのです!
少し見せてもらったところ、1回ずつは短いながら飼っているペットのことをつづった素敵な内容でした。
そして英語の表現はシンプルながら、語彙力が徐々に上がっていることが見て取れました。
ちなみに、それから1カ月後も彼はまだ日記をつけていました。
へえ、すごいなぁ!
ある程度続けられると、やめるほうが苦痛になるのよね。
勉強習慣をつけたいなら試してみてね。
ええ。
3週間ルールね!
もし3週間は長いと感じたら、最初はこの生徒さんみたいに1週間程度の短めのゴールを設定すると続けやすいかもしれないわ。
それじゃ、まずは3日続けるのを目標にしてみようかな。
あら、3日じゃ短すぎない?
3日でもOK。
とりあえず決めた期間続けられたら、思いっきり自分をほめてあげてね。
うん!
まとめ
勉強時間と成果は、残念ながらキレイに比例することは稀です。
S字状の学習曲線が示すとおり、多くの人は新しく何かを習得する際に成果が見えにくい期間を経験することになります。
さらにTOEOICテストでは、高得点ゾーンに入った人は成果をあげるためにより多くの勉強時間が必要となり、スコアの伸び悩みを経験しやすいことが予想されます。
こういった時期には勉強をするモチベーションが下がりがちですが、外部刺激をうまく使ってモチベーションの維持をはかることが可能です。
またモチベーションだけに頼らず、「習慣の力」を上手に使うと、無理なく学習を続けることができます。
具体的には次の方法があります。
■次のような外部刺激を上手に使ってモチベーションを上げましょう。
- Twitterの英語アカウント(英語垢)
- スマホアプリを使って勉強時間を記録
- 目標を紙に書いて毎日見る
■勉強を習慣化して、モチベーションに頼らず勉強を続ける仕組みを作りましょう。
21日間同じことを続けるのが習慣化のコツ。
新しい習慣を身に着けるには、一気に頑張らずに少しずつ目標期間を延ばしていくのがおすすめ。
モチベーションや習慣の仕組みを上手に利用して、目標のTOEICスコアをつかみましょう!
★独学TOEIC派なら、こちらの記事も役立ちます★