関係代名詞って、省略されるわよね。
アレがどうも分からないのよ・・・
消えたら、分からないよね。
確かに長文の中ではよく省略されるけど、でもルールがあるのよ。
省略OKなのはある条件に当てはまる時だけ。
え、どんな条件?
関係代名詞はよく省略されるように見えますが、実は省略OKなのは2つの条件に合致した時だけ。
省略された関係代名詞を見抜く簡単なコツを解説していきますね。
まずは関係代名詞がなぜ大事か、その存在意義から見ていきましょう。
関係代名詞の存在意義
まず最初に関係代名詞の存在意義について。
実は英語は、名詞の後から色々説明する言葉。
特に説明部分が長くなればなるほど、名詞の後ろに説明がくっついてくる傾向があります。
日本語は名詞の前に説明するのことが多いので、このあたりの感覚が違いますよね。
そして英語で名詞を後ろから説明する際に、関係代名詞を使うと便利なのです。
例えば「あそこに立っている女の子」と言いたい場合、日本語と英語ではこんなふうに表現方法が変わります。
【日本語】
【英語】
日本語では名詞の前に、英語では名詞の後に説明がくると自然ですね。
関係代名詞以外にも、現在分詞や過去分詞、前置詞などを使うと、名詞の後ろに説明をつけていくことができます。
へぇ。
英語は文章の作り方が違うんだね。
フランス語とかのヨーロッパ言語は、英語と同じように後から説明する傾向があるわ。
なんだか、分かりやすい気がする。
言われてみればたしかに。
名詞の前にある説明が長いと、分かりにくくなるものね。
関係代名詞の3つの用法
このように名詞を後から修飾できる関係代名詞ですが、3つの用法があります。
省略がよく起こるのは、実はその中の一部だけ。
下記の太い赤字部分です。
用途 | 先行詞が人 | 先行詞が物 | 省略有無 |
---|---|---|---|
主格 | who/that | which/that | △ |
目的格 | whom/that | which/that | ◎ |
所有格 | whose | whose |
ひとつずつ用法を確認していきましょう。
関係代名詞の主格用法
まず関係代名詞の主格用法。
これは関係代名詞の前にくる名詞(先行詞)が関係代名詞の後の部分の主語になるときです。
【主格の関係代名詞】
「私と一緒に働いているあの女性は、とても親切です。」
なお主格用法の場合は、現在分詞や過去分詞を使って、関係代名詞を省いた形で文章を作れる場合もあります。
たとえば先ほどの例文で使った文章は、次のように関係代名詞を取ってしまえます。
The girl who is standing over there is my daughter.
「あそこに立っている少女は、私の娘です。」
⇩ 関係代名詞ナシに。
関係代名詞を取ったほうが、文章がムダなく簡潔になりますよね。
なお、主格用法では、関係代名詞の省略はあまり起こりません。
例外はありますが頻度的には少ないので、あまり気にしなくて大丈夫です。
関係代名詞の目的格用法
次に関係代名詞の目的格用法。
これは関係代名詞の前にくる名詞(先行詞)が関係代名詞の後の部分の目的語になるときです。
【目的格の関係代名詞】
「私が昨日なくした鍵を見つけねばならない。」
この際、上記のように先行詞が物の場合には、とにかく関係代名詞がよく省略されます。
見破り方としては、名詞(物)の後に主語と動詞が来ているということ。
【目的格の関係代名詞省略パターン】
これが分かれば、関係代名詞の省略はもうコワくありません!
名詞のあとに主語と動詞がくるこの流れ、ぜひ慣れていきましょう。
所有格の関係代名詞
最後に関係代名詞の所有格用法。
これは関係代名詞の前にくる名詞(先行詞)が関係代名詞の後の部分と “of” でつながるときです。
次のように2つの文がひとつになると考えると分かりやすいかもしれません。
【所有格の関係代名詞】
頻度的には多くなく、また省略が起こることもありません。
省略って、そんなにしょっちゅう起こるわけじゃないんだ。
条件がそろったときだけ起こるんだね。
でもなんだか、よく見る気がするわ。
たぶん、目的格の関係代名詞の出番が多いせいだと思うわ。
使いやすい文法だから、長文でも引っ張りだこなのよね。
なるほど。
でもルールが分かったから、もうバッチリじゃない?
そうね。短い文なら理解できそうだわ。
ただ難しい長文を読みこなすには練習が必要かしら。
難しい文って、どんなかんじなの?
それじゃ最後に、力試しでムズカシイ関係代名詞の文章を読んでみましょう。これがわかれば、関係代名詞はバッチリよ。
が、がんばるわ!
関係代名詞の応用編
それでは最後に、関係代名詞応用編の文章を見てみましょう。
次の文章の中には主格の関係代名詞が1つと目的格の関係代名詞が1つ入っています。
そのうち目的格は省略されていますが、見抜けますか?
As a young boy, I did not understand what rich dad meant by owning my own corporation.
It was an idea that seemed impossible and intimidating.
Although I was excited by the idea, my inexperience wouldn’t let me envision the possibility that grown-ups would someday work for a company I would own.
-参照元:Robert Kiyosaki “Rich Dad Poor Dad”, Plata Publishing
関係代名詞は、次の赤い部分です。
省略された目的格の関係代名詞のあとには、パターンどおり主語と動詞が続いていますね。
As a young boy, I did not understand what rich dad meant by owning my own corporation.
It was an idea that seemed impossible and intimidating.
Although I was excited by the idea, my inexperience wouldn’t let me envision the possibility thatgrown-ups would someday work for a company (that) I would own.
難し目な英単語の意味は次の通り。
- intimidating:威嚇的な、おびえさせるような
- grown-ups:大人
- inexperience:未熟、不慣れ
ちなみに青色のthatは関係代名詞ではなく、同格のthatと呼ばれる文法。
詳しくはthatの8つの用法に関する記事で解説しています。
上記の文を訳すと次の通り。
少年だったので、私は金持ち父さんが自分の会社を持つということで何を言いたかったのか理解していなかった。
それは不可能だし、こわいアイディアに思えた。
この考えに興奮したものの、私は経験がないので、ある日大人が私が所有するであろう会社で働いてくれるであろう可能性を思い描くことができなかった。
このレベルの長文が理解できれば関係代名詞はバッチリですが、どうでしたか?
もちろんこの問題は腕試しなので、難しいなと感じても問題ありません!
ルールを使って長文問題を解いていけば、絶対に慣れていけます。
なお文章を理解する際は、関係代名詞の前で意味を区切って訳していくと、分かりやすいですよ。
難しかったけど・・・。
ただ、何度もゆっくり読んでいけば分かってきたわ。
ぼくは日本語でもよく分からないよ。
これは「金持ち父さん貧乏父さん」という大人向けの本なのよ。
お金の増やし方について書かれた本だけど、ちょっとむずかしいわよね。
え、お金が増えるなら読む!
くまた・・・
■関係代名詞は名詞を後ろから説明するために使われる
■省略が起こるのは目的格の用法で、先行詞が物の時
■省略が起こる時は【名詞(物)+主語+動詞】というパターンになる
目的格の関係代名詞の省略は、とにかくよく出てきます。
パターンを覚えたら、実際の文を読んで慣れていきましょう。