英単語の暗記は、やっぱりニガテだわ。
何か良い方法ってないの?
語源を使えば、単語から意味が推測できたりするわ。
えっ!「ゴゲン」ってなに!?
漢字の偏みたいなものかも。
私達って、サンズイを見れば水に関係するものかもって分かるじゃない?
英語にも、そういうものがあるってことね。
英単語はいくつかのパーツが成り立って作られています。
語源とは、この元々のパーツの意味。
パーツをある程度知ってしまえば、初めて出会う英単語であっても意味が推測できたりしますし、覚える時にも非常に有利です。
良く使われるパーツを覚えて、英単語の丸暗記から解放されましょう!
英単語の語源とは
まずは改めて語源について説明します。
私たちは「サンズイ」がつく漢字を見たら「水を意味するものかな」と、あたりをつけることができますよね。
実際、次のような漢字はすべて「水」に関係しています。
こんなふうにネイティブの人も英単語のスペルから、単語の意味をイメージできるのです。
たとえば “album” という単語には “alb” という文字が入っていますよね。
“alb” の意味って、ご存知ですか?
【ALBUM】
実はこれ、ラテン語 “albus” から由来して 「白」 を表します。
アルバムって最初真っ白ですよね。
このイメージが、”album” という単語と共に、ネイティブの頭には浮かんでいるのです。
そういえば、あのハリーポッターの校長先生の名前も “Albus Dumbledore“(アルバス・ダンブルドア) と “alb” が入っていますね。
【Albus Dumbledore】
画像参照元:looper “Dumbledore’s backstory explained“
校長先生は主人公ハリーを支える優しくて頼もしい人物ですが、こういった人柄を「白」という色で表現しているのでしょう。
もうひとつついでに、「アルビオン化粧品」って聞いたことがありますか?
女性の方ならご存知かと思います^^
このALBIONは「White Land(白亜の国、白い国)」を意味しているそうで、かつてイギリスはこう呼ばれていたようです。
【ALBION】
参照元:アルビオン化粧品社サイト
「白は女性の美の原点」というところから、この言葉を社名にしたのですって。
まあ、なんだか素敵な社名ね。
これからは “alb” を見たら、白がパッと浮かびそうだな。
ゴゲンって、面白い!!
ええ!
もっと知って、英単語暗記にも役立ていきたいわ。
それじゃ、もうちょっと詳しく説明するわね。
語源の構成要素
英単語の語源は、接頭辞・語根・接尾辞の3つのパーツで構成されています。
3つのパートの役割は、それぞれ次のとおり。
接頭辞 | 位置・時間・強調・否定などの意味を単語に加える |
---|---|
語根 | 単語の中心の意味 |
接尾語 | 単語の品詞を決める部分 |
たとえばattractionという単語を見てみましょう。
最初の「at」は「~の方へ」という意味をもつ接頭辞adの変形です。
真ん中の「Tract」は「引く」という意味の語根。
最後の「ION」は「名詞形」であることを示す接尾辞です。
こうして解釈していくと、この単語の意味は「ある方向へ引き付けるもの」であることが感じ取れますよね。
attractionの言葉の意味は、まさにこのイメージどおり「引き付けること、引力」です。
遊園地の乗り物も「アトラクション」といいますが、「アトラクション」=「人を引き付けるもの」と解釈すると理解できますよね。
語源って3つのパーツに分かれているんだね。
便利そうだけど、でも語源を全部覚えるのって大変なんじゃないかしら・・・
安心して。
よく使われるものを覚えるだけでも、十分効果はあるから。
とりあえず代表的な接頭辞だけ、頭にいれておいてね。
最初に暗記したい語源-接頭辞
語源の知識があると英単語の意味を推測できるので非常に便利。
とはいっても全ての語源を覚えておけないですよね。
おすすめとしては、まずは代表的な接頭辞を覚えてしまうこと。
使われる範囲が広いので、これだけでも英単語を覚える際にラクになります。
こちらの表にいくつかピックアップしたので、もし知らないものがあれば、ぜひ覚えていってくださいね^^
【接頭辞】
接頭辞 | 意味 | 例 |
---|---|---|
pre | 前に | prepare 準備する |
de | 離れて、下に | detain 拘留する |
inter | 間に | interested 興味のある |
ad | ~に向かって | admit 認める |
re | 再び | repetition 繰り返し |
over | 超えて | overstate 誇張する |
sub | 下に | subordinate 下の・部下 |
mis | 間違って | misunderstand 誤解する |
trans | 超えて | transportation 交通手段 |
ex | 外に | exit 出口 |
たとえば “reproduce” という単語を見た時、意味が分からなくても何となく推測できない?
reは「再び」って意味があるから、もう一回作るって意味かな。
ピンポン!あたり。
再生する、再現するって意味ね。
やった。
便利ね。
もうちょっと色々、覚えておきたいわ。
それじゃ、次に語根にいくわね。
知っておくと便利な語源-語根
余裕があれば、語根も少し頭にいれておきましょう。
知っておくと便利な語根を紹介しますね。
【語根】
語根 | 意味 | 例 |
---|---|---|
cept | 取る | concept 概念 |
tain | 持つ・保つ | sustain 保つ |
mit | 送る | transmit 送信する |
sist | 立つ | insist 主張する |
graph | 書く | calligraphy 書道 |
spect | 見る | suspect 疑う |
tend | 伸ばす | extend 伸ばす |
duct | 導く | conduct 行動、行う |
scribe | 書く | describe 描写する, 述べる |
ここまでの接頭辞と語根の知識を使って、英単語を覚えてみましょう。
ええ!
語源を使って単語を覚えてみる
ここまで紹介した接頭辞と語根を使って、ひとつ単語を暗記してみましょう。
例として “prescribe” という単語を使います。
prescribe
この単語は、語源からふたつのパーツに分けられます。
前に書く→事前に書く、という意味ですね。
そこから転じて、「処方する・規定する」という意味で使われています。
どうでしょう。
単語を分解して語源から考えていくと、英単語の意味がスッと頭に入っていきませんか?
うん。
入ってきた。
事前に書く→処方するという意味から考えると、なんだか頭にイメージも浮かぶわ。
それってすごい大事!
イメージと一緒に覚えると、また記憶に残りやすいの。
接頭辞と語根を使って、上手に頭にイメージを残してね。
やってみる!
ところで最後の接尾辞ってあんまり大事じゃないの?
そうね。
単語の意味を考える上では大事じゃないけど、でも文法的には役立つわ。
品詞が分かるようになる語源-接尾辞
最後に、語源の後ろを形作る接尾辞を紹介します。
接尾辞を見ても、単語の意味は予測できません。
ただ接尾辞によって品詞が分かるようになり、文の構造が理解しやすくなっていきますよ。
TOEICテストなどで「品詞を問う」問題がよく出題されますが、接尾辞を覚えておけば、品詞問題にも役立ちます。
代表的な接尾辞は次のとおり。
【接尾辞】
品詞 | 接尾辞 | 例 |
---|---|---|
名詞 | or, er ment tion/sion ty/ity ness cy ship | mentor 助言者 treatment 治療 transition 変遷 curiosity 好奇心 wellness 健康であること privacy プライバシー dictatorship 独裁 |
形容詞 | able ful ish less ed ous | amicable 友好的な beautiful 美しい foolish 愚かな thoughtless 配慮に欠ける colored 着色した outrageous 常軌を逸した、無礼な |
動詞 | ate en ize | create 創造する straighten まっすぐにする squeeze 搾る |
副詞 | ly | frequently しばしば |
ちなみに先ほど例にだした “prescribe” の名詞形は “prescription” です。
“tion” が最後につくので名詞形だと分かりますね。
意味は「処方箋」です。
接頭辞・語根・接尾辞、それぞれ便利ね。
なんだか大分語源が分かってきた気がする。
もっと知りたいな。
それじゃ最後に語源がもっと学べる本を紹介するわね。
語源を学べる本
英語の語源をいくつか紹介してきましたが、もっと詳しく語源が分かる本を紹介しますね。
今なんといっても売れているのは、こちらの「英単語の語源図鑑」です。語源を分かりやすく説明してくれています。
実は語源に関する本は以前から出版されていましたが、この本ほど語源への関心を巻き起こすことはありませんでした。
語源図鑑は2019年7月18日現在、大手本屋さんの店頭にも置いてあるほど。
人気の秘訣は、かわいいイラストを使ってとにかく楽しく分かりやすく語源が学べるように工夫されている点でしょう。
中学生からシニアまで、幅広い読者がいる本です。
なお、英単語の語源図鑑の著者である清水先生による「くらべてわかる英単語」も、英単語を実用的に使う際に役に立ちます。
takeとgetの違いなど、基本的ながら実は分からない部分が分かるようになります。
語源図鑑を読んだ後、英単語そのものの知識を深めたくなった時におすすめの一冊です。
まとめ
今回は語源について紹介しました。
英単語は語源によって成り立っている。
語源は「接頭辞」「語幹」「接尾辞」の3つのパーツから成り立つ。
語源を知ることで英単語の意味を推測できるようになる。
語源を知ることで、英語の文化や考え方も理解できるようになります。
語源の知識を活用して、英単語を毎回丸暗記する作業から解放されましょう!
英単語の暗記はこちらの記事も役立ちます。