英語のリスニングって、いくら聞いてもよく聞き取れないのよね。
ちゃんと文字で見れば理解できるのに。
きっと練習が足りないんだわ。
それって練習不足じゃなくて英語の音を知らないからかも。
このまま聞き続けても、努力が無駄になっちゃうわ!
ええーっ。どうしたらいいの。
英語の音を知るのってムズカシイの?
全然!
私もリスニングが大の苦手だったけど、短期間で耳を変えられたわ。
まずは英語の音が聞き取れない理由から理解していきましょう!
私はTOEICテストのリスニングで満点(495点)に近い490点を取得していますが、かつてはリスニングが大の苦手でした^^;
以前はどれだけ聞いてもリスニングが上達せず、悲しい気持ちになりました。
ところが英語と日本語の音の違いを理解し、そして本当の英語の音を知ってから聞こえてくる音が変わりました!
もしあなたも「どんなに聴いても上達しない」と感じたら、ぜひこの先を読み進めて耳を変身させてしまいましょう^^
英語と日本語の音の3つの違い
耳を変えるために、まずは英語と日本語の3つの音の違いを理解してください。
私は以前ものすごいカタカナ英語で、すべての英語の音を日本語にして理解していました。
ですがこれを続けている限り、リスニング力は上がらないのです><
英語と日本語は音の数が違う
最初の違いは、音の数。
英語と日本語では、使う音の数が違います。
たとえばAppleの”A”の音を発音する際、「アとエの中間の音」といった微妙な説明をされた経験ってありませんか?
これって日本語にない音を日本人に伝えるための苦肉の策なわけですが、こういうふうに説明せざるを得ないぐらい英語には日本語にない音が多数存在するのです。
こちらの表は、具体的な音の数を比較したもの。
母音と二重母音、子音の数、全てにおいて英語のほうが多いことが見てとれますね。
母音の数 | 二重母音の数 | 子音 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
日本語 | 5 | 2 | 17 | 22 |
英語 | 12 | 13 | 24 | 36 |
フランス語 | 17 | 4 | 20(+2) | 39 |
中国語(北京語) | 9 | 6 | 26 | 35 |
アラビア語 | 6 | 2 | 28 | 34 |
*下記サイトを参考に本サイト運営者が作成
Eupedia: “What languages in Europe have the most or least phonemes ?“
たとえば母音の数だけで見てみると、日本語の母音は「あいうえお」という5個しかないのに対し、英語の母音はなんと12個も!
これでは聞き取るのが大変なわけです。
上記の表では参考までに他の国の言語もいくつか掲載していますが、フランス語や中国語などは、英語と同じぐらいの音の数があり、英語だけが極端に音が多い言語というわけではありません。
アラビア語は母音は少ないものの、子音の数が多い印象ですね。
日本語の音の数って、少なっ!
そうね。なんだか、日本人って英語を学ぶのに不利な気がするわ。
まあ、有利とはいえない状況ね。
加えて、英語と日本語は使う筋肉も違うのよね。
英語と日本語は使う筋肉が違う
英語と日本語は使う筋肉も違います。
日本語は「母音」と「子音」を必ずセットで発音する言語ですが、英語はこのふたつは切り離して発音することも。
「子音」だけで音を出すには息を強く出す必要があるのですが、それには日本語では使わない舌の力や顔の筋肉を要します。
”f”の音を出すために下唇を噛むように言われたり、”th” の音では上下の歯で舌を挟むように指示されたことってないですか?
こういった負荷のかかる口の形は、普段使わない筋肉をしっかり活用するために考え出されたもの。
ちなみに私は以前マンツーマンの「英語の発音教室」に通っていたのですが、そこでは8段階ぐらいの異なる長さに分けて舌を歯の間に挟み、thの音を出すように言われました。
最初は「ナニソレ」って思いましたが^^;
こんなスパルタトレーニングが必要になるほど、日本語しか話してこなかった口で英語を発音するのは大変なのです。
スパルタトレーニングは、受けたくないわ。
いえ、普通はそこまで頑張る必要はないのだけど。
ついはり切っちゃって。
英語と日本語の音って、数も出し方まで違うんだね。
そう。そしてさらにもうひとつ大事な点が。
まだあるの?
英語の音は変化する
英語という言語は、前後の音とのつながりで音が変化したり消えたりします。
子音で終わる単語はその後の母音とつながって発音されがちですが、これを「リエゾン」または「リンキング」と呼んだりします。
たとえば “take it easy” を発音するとき、「テイク イット イージー」とは言いません。
上記のように単語の最後と次の単語の最初がつながり、カタカナにすると「ティキディーズィー」のような音になります。
さらに冠詞や前置詞など意味的に重要ではない部分の音が小さく発音されたりもします。
こういった音の変化によって、文章単位で耳にする時の英語は我々にとってさらに聴きとりにくい音になってしまうのです。
音の変化まで起こるって、そりゃ、聞き取れないよ。
それでも頑張って聴き続けていたら、そのうち、耳が音を覚えてきてくれたりはしないかしら?
それが、そうもいかないのよね。
私たちの脳は、知らない音を勝手に知っている音に変えちゃうのよ
知らない音は聴きとれない:空耳の仕組み
このように日本語と違う英語の音ですが、ただ私たちの耳に入ってくる時には、しっかりとした「日本語音」に変化してしまいます。
というのも、人間の脳には分からない情報は過去の経験を元に理解可能な情報に変えてしまうという超ハイテク機能が備わっているからです。
これが「空耳」と呼ばれる現象。
幕末にアメリカへ渡ったジョン万次郎が “What time is it now?” を「ホッタイモイジルナ」→「掘った芋いじるな」と聞き違えた話は有名ですよね。
つまり知らない音を聞き続けても、正しく聴きとれないのです。
つまり、頑張って聞いてもだめってことね。
どうしたらいいの?
今から正しい英語の発音を学び直せばいいの!
正しい音を知れば、脳は聞こえてくる英語を勝手に変換したり出来ないわ。
正しい英語の発音を知る
正しい音を聴きとるには、正しい音を知ることが大事。
そのための方法としてはフォニックスが良いかと思います。
フォにクスは英語圏の子供がスペルと発音を学ぶためのルールですが、英語学習者が発音を学ぶのにも有効です。
私は以前、自分の英語発音を何とかするために高額な教材も購入しましたし、また発音矯正教室に通っていたこともあります。
これらは全てある程度役立ったかもしれませんが、ただ必要な時間や金銭面での負担を考えてみるとおすすめできません。
手軽にお金をあまりかけずに英語の発音を学ぶにはフォニックスが最適でしょう。
フォニックスで発音を学ぶ方法
具体的にどのようにフォニックスを学ぶかですが、実際の教室となると子供向けが多く、大人向けは少なめですね。
それに正しい音を知るためだけであれば、そこまで本格的に学ぶ必要もないでしょう。
おすすめとしては本などを使って独学で学ぶ方法。
教材をいくつか紹介しますね。
フォニックス発音トレーニングBOOK
大人向きのフォニックスといえばジュミック今井先生の本が一押し。
「ガスもれの音」など例えが的確で、文字情報ながら、実際の音や口の形を頭でイメージしやすい表現の工夫が詰まっている一冊です。
世界一わかりやすい英語の発音の授業
最近出版された関先生の「世界一わかりやすい英語の発音の授業」は「フォニックス」とは書いていないもののフォニックスの要素が盛り込まれていますね。
内容は関先生の他の著書と同様に論理的で、本のタイトルどおり「分かりやすい」の一言です!
さっと読むだけであればそれほど時間もかからないので、「まずは発音の知識を知りたい」という人にも良いですよ。
くまた英語・フォニックス講座
手前味噌になりますが、英語の発音やりなおし法を別の記事で解説しています。
フォニックス発音をメインに、有益だと判断した情報を掘り下げてお届けしています。
発音やリスニングに悩んだら、ぜひ見てみてくださいね。
発音とリスニングの勉強法
ご紹介した記事や本を参考に、まずは英語の音を一音ずつ発音して、自分の声で、正しい英語の音を出してみてください。
自分自身の脳に「英語の音」を覚えさせることができます。
音が分かってきたら、英語の音を聞いた後にマネをしたり音読をしたりすると、英語の音の変化にも慣れていけます。
もしテスト対策でリスニング力を上げたい場合には、過去問や参考書を使ってこの練習をすると効果抜群^^
フォニックスで正しい音を知るのが大事なんだね。
英語の本当の音を知って、それから練習を積み重ねていけば、リスニング力が上がっていくわ。
がんばるわ!
まとめ
今回は英語と日本語の音の違いを解説してきました。
■英語には日本語にはない音が多くある
■英語は日本語を話す時には使わない筋肉が必要になる
■英語は文章単位になると音の変化が起こり聞き取りにくくなる
■私たちの脳は、過去の経験を元に、知らない音を知っている音に勝手に変えてしまう
■正しい音を知るには英語の発音を知る必要がある
■フォニックスを使うと正しい発音を学びやすい
英語の発音を知って、リスニング力をどんどん伸ばしていきましょう!
リスニング力アップにはこちらの記事も役立ちます。