英語の音って、長い文になるとさらに聴きとれないわ。
悔しいわ。これって、私の耳が悪いのかしら。
英語の音ってつながったり、消えたりする気がする。
実はそうなの。英語の音は変わるのよ。
やっぱり!
長い文章も聴きとるための3つの変化ルールを紹介するわね。
英語は単語単位で発音される時と、文章になる時では音が変わります。
「単語単位ならちゃんと分かるのに、文章になると聞き取れなくなる」という場合は、この音の変化に慣れていない可能性が大。
このままではTOEICパート3、パート4など長文リスニング問題で点数が伸び悩んじゃいます。
そうならないよう、長文を聴きとるのに必要な3つの音変化のルールを押さえておきましょう!
ルール1:2つの単語が1つの単語のように発音される
英語は2つの単語をまるで1つの単語のようにつなげて発音することがよくあります。
これをリンキングまたはリエゾンと呼びます。
リンキングが起こりやすい3つのパターンを紹介しますね。
単語の最後の母音+単語の最初の子音がつながる時
単語の最後が子音で終わり、次の単語が母音で始まる時、2つの単語の音がつながります。
たとえば次のような文章なら、「アイ・テイク・アウト・イット」ではなく「アイティカウティット」といった感じで子音と母音をつなげていきます。
なお上記の単語は “take” と “e” で終わっているのですが、こういう時は最後の e は発音しません。
これ結構大事なルール。
発音しないので、この”e”の音を「サイレントE」と呼んだりします。
サイレントEルール:1つの単語の中に母音が2つ以上ある時、最後のeは発音しない。
サイレントeになる単語では、eの前の子音と、次の単語の最初の母音の間でよくリンキングが起こります。
“make it” “like it ” などですね。
私達の耳には「メイキッ」「ライキッ」と聞こえてきます。
単語の最後の子音+単語の最初の ”y” の音がつながる時
単語の最後の子音と次の単語の最初のyの音も良くつなげて発音されます。
“Thank you” が分かりやすい例ですね^^
「サンキュー」
「サンクス ユー」というより「サンキュー」と言ったほうが俄然、言いやすくないですか?
だからリンキングが起こります。
音の変化は結局、言いやすくするために起こるのですね。
母音が2つ重なると音がつながる
他にも単語の最後と単語の最初の母音がつながって、音が変わることもあります。
この時、 “w” や “y” といった音が間に挟まれて発音されます。
たとえば “go out” と言う時。
「ゴゥワゥト」
間に “w” の音が小さく入って「ゴゥワゥト」と発音します。
他にも細かいルールはありますが、ルールをすべて覚えなくても大丈夫。
とりあえず今紹介したリンキングが起こりやすいパターンを頭の片隅に置いておいてくださいね。
ルール2:あるはずの音が消える
2つ目の音の変換のルールは、音の欠落です。
これをリダクションといいます。
「文字ではきちんと存在しているのに、音声ではなぜか聞こえてこない!」と感じたこと、ありませんか?
たとえば “and” は文中でしっかり「アンド」と言われることってないですよね。
小さく発音される上、最後の “d”は省略されて 「アン」と聞こえます。
時には「ン」としか聞こえない場合も。
「アン」「ン」
この「音が消える」「小さくなる」現象は、前置詞や接続詞、冠詞など「文の意味上、重要ではなさそうな箇所」で生じやすいです。
また、語尾が “t” “d” “k” “p” で終わる時にも語尾が省略されやすい。
理由はやっぱり、そのほうが発音しやすいから。
たとえば ”good bye”は ”d” の音が省略されて「グッバイ」となります。
ルール3:音がガラリと変わる
3つ目の音変化ルールは、音が変わってしまう現象。
“t” の音が変化して”l” と “d” の中間のような音になります。
これを “フラッピング” と呼びます。
たとえば “Check it out” は「チェケラ」、“Shut up” は「シャラップ」と、”t” を「ラ行」の音にして発音しますよね。
「チェケラ」
あのアナ雪の主題歌 “Let it go” も、「レットイットゴー」ではなく、「レリゴ~」と表現します。
ここでもフラッピングが起こっているんです。
「レリゴ~」
なお、フラッピングはイギリス英語にはなくアメリカ英語でのみ生じる現象。
理由としては「アメリカ人がせっかちすぎてTの発音を省略するから」などとも推測されています。
音が変化するルールは、国民性にまで関わっているんですね^^
ちなみにフラッピングが起こる時は「”t” の音の前後が母音に挟まれている」など細かいルールもありますが、あまり覚える必要はありません。
英語の “t” の音はガラリと変化することがある、とだけ覚えておいてください。
英語の音はつながったり、消えたり、変わったりするんだね。
どうりで、音が聞き取れないはずだわ!
そうよね。
でも大丈夫!慣れていけば、聞き取れるようになるわ。
でも、どうやって慣れたらいいの?
ルールを知っただけじゃ、ムズカシイわ…
大丈夫!
自分で声に出していけば、慣れていけるわ。
長文リスニングを聴きとれるようになる方法
英語の音が文章になると変化する3つのルール、見てきました。
ここからは、つながる、消える、変化する音を聴きとるための練習を紹介していきますね。
まずは音声を真似して、変化に慣れていきましょう。
英語の音の変化に慣れる
音声を真似る際は、最初は1文ずつ行っていくのがおすすめ。
一気にマネしようとすると、最初に聞いた部分を忘れてしまうからです^^;
ためしに次の文章を聞いて、聞こえたままマネしてみてください。
かなり頻繁に音がつながって変化しているので、難易度は高いです。
ムズカシイと感じたら、こちらのテキストも見ながら行ってみてくださいね。
リンキングが起こっている場所は、次の通り。
冠詞 the もかなり適当に小さく発音されていて、聴きとりにくくなっていますね。
ただ何度も聴いてマネしていくと、次第に慣れていきませんか?
最初はこんなふうに英語の音を一文ずつ聴き、繰り返してみましょう。
上記の文章も、良かったら何度か繰り返し声に出してみてくださいね。
慣れて行ったら複数の文章をまとめて聞き、音読していってもOK。
丁寧に聴いていくことで、音の変化に慣れるのね。
ええ。
まずは頭で音の変化を理解して、次に実際に耳を慣らしていく感じ。
少しずつ長文の音変化が聴きとれるようになるわ。
どんな音でも聴きとれるようになる?
それはちょっと難しいかも。
日本語でもそうだけど、やっぱり言葉って使われる場所によって変わるから。
TOEICとか、テストはどうかしら?
それは結構、やりやすいわ。
テストのためのリスニング力を鍛えるには、過去問や参考書を聴きこむのが効果的よ。
あら、そうなのね!
教材をいくつか紹介するわね。
リスニング練習用おすすめ教材
テスト対策のためにリスニング力を鍛えたいのであれば、教材は過去問や参考書を使って、音声の繰り返し練習を行うのが最も効率的です。
テストのリスニングの音声はしっかりしているので、日々練習を積み重ねていけばリスニング力を着々と上げていけるできるでしょう。
目的別にいくつか教材を紹介しますね。
リスニング練習用教材:TOEIC公式問題集
TOEICであれば、まずは公式問題集。
公式問題集はTOEICテスト最強の教材でもあります。
一度解いた模試のリスニング問題を使って、音読やリピーティングの練習を行ってみてください。
TOEIC用の耳ができていきます。
リスニング練習用教材:英検の過去問題集
英検は過去問が販売されています。
過去に出題されたリスニング問題を使って、耳を鍛えていきましょう。
まとめ
今回は、文単位になると変化する英語の音について紹介しました。
■英語は文章単位になると、次の3つの変化が起こる
―音がつながる(リンキング)
ー音が脱落する(リダクション)
ー音が変化する(フラッピング)
■音の変化に慣れてリスニング力を上げるには、音声を聞いて、そのとおりに繰り返していくと良い。
■テスト対策のためにリスニング力を伸ばすなら、過去問や参考書を使うと効率が良い。
音の変化の法則を意識して、日々繰り返しや音読で特訓していけば、耳はどんどん英語を聴き取っていってくれます^^
リスニング力アップには、こちらの記事も役立ちます。