TOEIC500点って、難しくなさそうだよね。
それが、そうでもないの。
実は、初心者レベルから500点までスコアを上げるのが一番大変かもしれないわ。
え、なんで!?
TOEIC L&R テストでは、英語初級者も上級者も全員同じテストを受けるものの、スコアをアップさせる方法は、レベルごとに異なってきます。
これからスコア別の対策をお届けしますが、今回はまず英語初級者レベルの人がTOEIC500点を取るための方法を説明していきます。
一番最初のレベルといえど、英語への苦手意識を強く持っているケースもあり、実は最も難しいともいえるゾーンでもあります。
ぜひ正しい勉強法を取り入れて、次のレベルに進むための土台をしっかり作っていきましょう!
TOEIC500点の英語レベル
まずは、TOEIC500点がどんなレベルか見てみましょう。
TOEICテスト運営団体が公開している表によると、5段階評価のうちの丁度真ん中の「470点~730点」のレベルに該当します。
「日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる」レベルと記されていますね。
参照元:国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」
ちょっと抽象的なので、もう少し具体的に何ができるレベルなのかを確認してみます。
同じくTOEICテスト運営団体のサイトの別のページを参考にすると、TOEIC500点レベルは次の行為が英語で可能なレベルとされています。
- 看板を見てどんな店か、どんなサービスを提供する店かを理解することができる。(例、”drycleaning” “book store”等)
- 電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる。
参照元:国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC L&Rスコア別できること一覧」
業務に使えるレベルとは程遠いといえますが、最低限、何とか暮らしていける程度の英語力がある、といった感じです。
英語を勉強している人が最初に視野にいれていきたいレベルといえるでしょう。
なお直近(2019年7月)のTOEICテスト結果から、受験者全体の中で33パーセントの人がこの500点未満のレベルであると分かります。
※上記グラフは下記資料を基に本サイト運営者が作成
参照元:国際ビジネスコミュニケーション協会:2019年7月実施第242回TOEIC L&Rテスト スコア分布詳細
看板を見れば分かるレベルって。
やっぱりTOEIC500点って、大したことない感じだね。
これじゃ就職活動の時にも、あまり効果がないんじゃないかしら。
そうね。
でも、意外と全然効果ナシってほどでもないのよ。
TOEIC500点の就活での効果
就職活動での効果については、残念ながらそれほど期待できません。
TOEICの平均スコアは500点台後半。
そのため履歴書には、平均以上とされる600点以上を書いたほうが良いとされています。
とはいっても、TOEIC500点台を求める求人がないわけではありません。
営業・経理・貿易事務などでTOEIC500点以上を条件とする求人条件はそこそこ見つけられます。
【TOEIC500点求人例】
- 営業職
- TOEIC500点以上、または同等のスキル
- 年収350~500万円程度
- 貿易事務
- TOEIC500点以上、または同等のスキル
- 年収300~450万円程度
営業力や経理経験といったメインのスキルがあった上で、「英語も少しできます!」とアピールするのに役立つかもしれません。
高い英語力はいらないけれど、英語がまるでダメって人は採用したくない会社には見てもらえそうね。
ええ。
それに500点って、ある程度の基礎力がないとやっぱり取れない点数だし。
どれぐらい勉強しなきゃいけないの?
それじゃ500点ゲットのための勉強時間と方法を紹介していくわね。
英語初級者がTOEIC500点を達成するために必要な勉強時間
次にこのスコアを取るための勉強時間を見てみます。
下記はTOEICの先生向け教材も作成しているオックスフォード大学出版局が作成したTOEIC勉強時間の目安表です。
表の見方は、縦軸が現在のTOEICスコア、横軸が目標のTOEICスコアとなります。
引用元:Oxford University Press
“A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success” p.6
今のレベルがどこかによりますが、例えばTOEIC250点レベルの人が550点を目指すなら、700時間という勉強時間が必要となります。
TOEIC500点というと簡単にそうに思われたりもしますが、ある程度の英語の基礎力がないと到達できません。
そして基礎力を付けるには、それなりに時間がかかるもの。
もし「なかなか取れない」と感じても、ガッカリしないでください!
なお学生時代にある程度真面目に英語を勉強したことがある人であれば、当然もっと少ない時間で500点超えを達成できるでしょう。
実際に英文法をおさらいすると、記憶がどんどん蘇ってくるからです。
独学でTOEIC500点を取る対策
それでは次に、TOEIC500点を超えるための勉強法を説明していきます。
現状のスコアレベル目安と注力ポイントは次のとおり。
現状のTOEICスコア目安 | TOEIC300点・中学の英文法・英単語もあやしいレベル |
---|---|
勉強で注力したい点 | 基本英単語と英文法をしっかり理解して覚える |
英語から長年遠ざかってしまった人や学生時代に英語を勉強してこなかった人が含まれます。
ここからはTOEIC500点達成のための3ステップをお伝えします。
ステップ1:英語への苦手意識を捨てる
もしも英語の成績が悪かったりして英語に対して苦手意識がある場合には、まずは気持ちを切り替えてください。
学生時代の成績って、先生との相性や部活動などにも影響されるもの。
成績が悪かったから英語に向いていない、ということは決してありません。
ネガティブな気持ちは手放して、気持ちを新たに学習をスタートさせていきましょう!
とはいっても「どうも英語が苦手」という場合は、まずはウォーミングアップとして英語に興味をもつところから始めてみると良いですよ。
英語力を上げる人は、ほぼ例外なく、英語に強い興味があります^^
とっかかりとしては、こんな本から始めてみるのもアリ。
「マンガでおさらい中学英語」は、なぜ英語だとこの文法が大事か、根本部分から易しく教えてくれる良書。
英語という言語の考え方の違いが理解できることで、英語への興味が湧いてくるでしょう。
ステップ2:基本英単語を覚えよう
英語への興味を感じ取れていったら、いよいよ勉強にうつります。
最初は基本英単語を覚えていきましょう。
書店で前面に置かれているものは良い本が多いので、その中から実際に手に取って、気に入る英単語本を選んでみても良いですね。
私が一押しなのは、アルクさんが出版しているキクタンシリーズ。
自分自身も何冊も購入し、いくつかはヨレヨレになるまで使ってきました^^;
レベルや用途別に様々な英単語本を出版されているのですが、初心者レベルはこちらのEntryが使いやすいでしょう。
中学校で最初に習う英単語からスタートできます。
左ページの例文が右ページでは歯抜け状態になっており、自分で英単語を埋めつつ英文を完成させていく構成になっています。
キクタンシリーズは例文が実用的で、覚えた英単語を使いまわすときにも役立ちます。
またアルクのアプリ【ALCO】を使えば、スマホに音声をダウンロードすることも可能。
歩きながら英単語学習ができますね。
ステップ3:基本英文法を学ぼう
基本英単語と共に、基本英文法もしっかり身に着けていきましょう。
最近は「中学英文法からおさらいする」系の本が増えています。
どれも良い本ですが、どれかひとつ推薦するなら学研さんの「ひとつひとつわかりやすく」シリーズ。
「わかりやすさ」にとことん、こだわっている参考書です。
説明が分かりやすいだけでなく、読みやすさ、見やすさの上でも分かりやすい。
中学英語版からスタートして高校英文法まで終えると、学生時代の英文法を一通りおさえていけるでしょう。
番外編:模試をやっておくほうが良い
なお、TOEICを受ける前に公式模試を行っておくほうが良いでしょう。
本番で突然2時間200問の問題に直面すると、かなりのダメージをくらいます^^;
あらかじめ模試を行っておけば、ボリュームや問題構成に慣れておけるので有利です。
余力があれば模試は何度か行い、さらにリスニング問題は聴きこんでおきたいところ。
ただ!
優先順位としてはステップ1~3が上です。
なぜなら基本の英語力がない状態で問題集を解いても、あまりスコアにつながらないから。
模試のやり方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
なるほど。
とにかく基本の力を付けるのが大事なのね。
ええ。
まずは、ここからスタートして欲しいわ。
でも焦ってしまうと、やってはいけない方法からはスタートしてしまう人がいるのよね。
やってはいけない方法!?
初級者レベルでやってはいけないTOEIC勉強法
ここまで、やり直し英語でTOEIC500点まで目指したい人向けの勉強法をお伝えしてきました。
最後に、このスコアを目指す人には手をだしてほしくない勉強法・対策をお伝えします。
それは「TOEIC用の攻略から勉強すること」です。
学生時代に英語が苦手だった人は「今度こそ英語で成果をだしたい」「速く勉強から解放されたい」といった焦りから、つい「スコアが上がる」と銘打った問題集を買ってしまったりします。
ですがこれは、かえって遠回り。
なぜ私がこう感じるかと言えば、以前、企業でTOEICを教えていた時に手痛い経験をしたからです。
攻略法からスタートした失敗例
その会社では、昇進の条件の中にTOEICスコアが入っていました。
当然TOEICのために必死にならざるをえない生徒さんたちに教えていたのですが、その中に、学生時代から英語が苦手だった方がいました。
英語をちゃんと勉強してこなかったので、当然基礎力がありません。
ですが「周囲に負けたくない」一心で、貴重な週末に攻略法を買い込んで勉強をしていたのです。
ただ残念ながら英文法や英単語がよく分からないのに問題を解いても、英語力があまり伸びていきません。
またTOEICの引っかけ問題の知識が増えていっても、使いこなせる英単語力がなければ、それほどスコアにも結び付きません。
基本が身についていない状態では、攻略法を取り入れても良い結果は伴わないのです。
結局、この生徒さんのTOEICスコアは、後輩に抜かされていってしまいました。
というのも、後輩は学生時代に英語がそこまで苦手であったわけではなく、また地道に今のレベルにあった勉強を行っていたからです。
私の力不足でもあります。
この件以降、私は英語初級者レベルの人は、絶対に攻略から入らないほうが良い、とお伝えしています。
どんなことでも基礎がしっかりできていなければ、どこかで壁にあたり伸び悩むのは世の常。
あなたの目標がTOEIC700点、800点といったスコアにあるのであれば、後々大きくジャンプする前に、今はグッとしゃがんで力をためていきましょう。
なんだか、あせっちゃった人の気持ち、分かる気がするな。
私もよ・・・
目標が遠くにあるほど、あせってはダメってことね。
ええ。
目に見える成果は少なくても、基礎固めをしっかりしておけば、後で必ず役に立つわ!
まとめ
今回は英語初級者レベルの人がTOEIC500点に到達するまでの勉強法を説明しました。
■TOEIC500点は英語初級者レベルの人が最初に視野にいれるレベル
TOEIC受験者の30%程度に該当する
■まずは次のような方法で基本英語力を固めていくのが大事
ー英語への苦手意識をなくすところから始める
―中学・高校レベルの例文法をおさらいする
―中学レベルの英単語を覚える
■学生時代英語が苦手であった場合は攻略法からスタートすると伸び悩む
基本をしっかりかためて、今後のスコアアップの土台にしましょう!
こちらの記事もお役立てください。