TOEICって900点以上が一番高いレベルなんだよね。
900点を超えたら、きっと英語ペラペラになるんでしょ?
映画も字幕なしで理解できちゃうんじゃない?
うーん、どうかしら。
TOEIC900点って、実は誤解されていることが多いのよ。
え、そうなの?
でも、投資対効果という点では、900点超えはかなりオススメよ。
条件が不利な人こそ、活かせると思うわ。
と、トウシタイコウカ?
リターンが大きいってことよ。
お得な情報は、ぜひ知りたいわ!
それじゃTOEIC900点の効果と実力、徹底的に伝えるわね。
TOEIC900点を超えるスコアは、990点が満点であるTOEICテストの最高レベル。
日本の会社では「あいつ、すごいぞ!」という目で見られます。
ですが特に留学などせずに到達可能なスコアであり、英語力を証明する手段が欲しい人にとっては、投資効果が高い資格といえるでしょう。
反面、その英語力は過大評価されることもあり、結果として「900点をとっても大したことがない」と揶揄されることも。
TOEIC900点超えのメリットと注意点、実際に960点を獲得して求人情報に応募してきた私の目線で解説していきます^^
TOEIC900点レベルの難易度
まずはTOEIC900点のレベルを改めてチェック!
下の表はTOEIC運営団体の最近のテスト結果をまとめたものです。
TOEIC900点以上を取れるのは10万人近い受験者の中でもわずか3~4%程度の人しか達成できないほどの狭き門となっていますね。
【TOEIC895点以上のスコア取得者の割合】
試験日 | A.受験者数合計 | B.895点以上 の受験者数 | B/A の割合 |
---|---|---|---|
2019年6月 | 96,628 | 3,517 | 3.6% |
2019年5月 | 92,934 | 3,412 | 3.7% |
2019年4月 | 71,227 | 2,595 | 3.6% |
参照元:下記サイトを元に本サイト運営者が作成
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC公開テスト 平均スコア・スコア分布
このスコアを取るための勉強時間の目安もチェックしてみましょう。
こちらはTOEIC教材を作っている会社による勉強時間の目安表です。
【目標スコアを取るための勉強時間目安】
参照元:Oxford University Press
“A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success” p.6
たとえばTOEIC650点の人が950点を超えるには1550時間の勉強が必要ということになります。
1日3時間勉強したとしても、516日かかることに!
TOEIC900点を超えるには、並々ならぬ努力が必要ということですね。
900点って、やっぱりすごいね!
これだけの難関を突破したら、転職も有利なはずよね。
ええ。TOEIC900点越えには、こんなメリットがあるわ。
TOEIC900点で有利になること
TOEIC900点以上を取っておくと、転職活動や昇進といった仕事上で良い効果があります。
他にも、実は取得してみないと分からない嬉しい効果が。
やっぱり努力して取得する難関資格には、それだけのリターンがあるのです^^
ひとつずつメリットを見ていきましょう。
TOEIC900点超え効果① 就職活動が有利になる
こちらは企業向けに行ったアンケートの結果。
【採用時にTOEICスコアを参考にするか:アンケート結果】
採用時にTOEICの点数を見る企業は「参考にしてはいないが、将来はそうしたい」という企業も合わせると8割を超えます。
次の表は、英語力を要する国際部門で必要なTOEICスコアに関するアンケート結果。
高いスコアを求めているのが見て取れますね。
ちなみにTOEICスコアを求人の条件にしているケースも結構ありますが、900点超えがあれば、足切りにあうことはまずないでしょう。
900点以上を求める仕事で検索してみると、次のような英語の専門職がヒットします。
【TOEIC900点以上で申し込める職種例】
- 通訳
- 翻訳
- 英語講師
TOEIC900点超え効果② 昇進で有利になる
TOEICで高いスコアを取ることを推進する会社は増えています。
会社によっては、一定のTOEICスコアを昇進の条件としているほど。
次の表は昇進に必要なスコアの一例です。
【昇進に必要なTOEICスコア】
業種 | 昇進・昇格スコア | |
---|---|---|
課長 | 部長 | |
化学薬品 | 730 | |
繊維・紙・木材 | 600 | 700 |
電気・精密機器 | 600 | |
商社 | 730 | |
卸売・小売 | 850 |
参照元:下記サイトを元に本サイト運営者が作成
一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 英語活用実体調査[企業・団体]p.6
900点以上を求める会社はあまりありませんが、ただTOEICスコアを昇進条件にするほど英語に関心が高い企業であれば、高スコアは昇進にプラスに働くでしょう。
TOEIC900点超え効果③ 自分の英語力に自信がつく
TOEIC900点以上で得られる意外な効果としては自信がつく、という点。
海外に長期間住んでいたわけでもなく日本で英語を勉強した人は、どこか英語力に自信がない場合が多々あります。
ですがTOEIC900点というスコアを持っていることで、自分の英語力に自信を得ることができるのです。
以前教えたことのある生徒さんで「自分の英語力に自信をもつため」にTOEICを受験する人がいました。
彼女は旦那さんがアメリカ人で旦那さんと会話できるぐらいの英語力がありましたが、それでもご本人としては自信がなかったのですね。
TOEICスコアは英語力という目に見えにくいものを、周囲にも、そして自分自身にも、証明する力があるのです。
転職も昇進も有利になるのね。
自信もつくって、なんだか分かるな。
テストの点数が良いと、頭がいいって思えるよね。
やっぱ900点ってすごいな。
うーん。
ただ900点越えって実は、それほどでもないのよね。
期待ほどではないというか。
え、そうなの?
本当はどの程度の英語力なの?
TOEIC900点ホルダーの実力
取得できる人が少ないTOEIC900点超えですが、「たいした英語力がない」と揶揄されることも。
実際のところはどうなのでしょう。
誤解されがちなポイントにしぼって、900点ホルダーの実体をお伝えしていきますね。
英語のスピーキング力
まず一番に取り上げたいのは、900点超えでも英語を流ちょうに話せるとは限らないこと。
一般的にTOEICテストはTOEIC L&R テストを指しますが、これは英語のリスニング力とリーディング力を見るテスト。
話したり書いたりというアウトプット力を測るテストではありません。
英語を話すには別途、英語を話す練習をする必要があります。
つまり英語のスピーキング力とTOEICの点数は、常に一致するわけではないのです。
TOEIC高得点を取った後にスピーキング力を上げる方法は別の記事にまとめているので、気になったら見てみてくださいね。
海外で通用するビジネススキル
TOEICスコアとビジネススキルは当然ながら別物です。
さらに言うと、英語力とビジネススキルも別物。
英語が話せるからといって、必ずしも外国企業との交渉や商談をスムーズに進められるわけではありませんよね。
当たり前のことに思われるかもしれませんが、ただTOEIC900点以上のスコアがあると高度なビジネススキルを要する仕事を割り振られてしまうケースがあります。
きちんとこなせないと、「900点をとっても大したことない」と社内で落胆されてしまうことにも。
映画や日常英会話が聞き取れるリスニング力
TOEICで高得点を取れば、映画なども字幕なしで見れると誤解される場合があります。
ですが日常英会話や映画ではかなり広範囲な場面が登場します。
使われる英語も、くだけた若者言葉や幼児言葉、なまりが強いものなど実に様々。
一方TOEICテストでは出題される問題は場面が限定されています。
お店での会話や会議などビジネスと関係があるシーンが出題されますし、発音もキレイです。
そのためTOEICで最高スコアを取れても、映画や日常会話が聞き取れるとは限りません。
これにはまた、別の練習が必要になります。
なるほど。
TOEIC900点でもできないことって、いっぱいあるんだね。
考えてみればTOEICって、英語を学習する人向けのテストだものね。
そこまで実践的なことはできないわよね。
そう!
それなのにTOEICで高スコアを取ると色々できるって思われるところがポイントよね。
つまり上手に使えば、就職活動が有利になるってことね。
そういうこと!
特に実務経験が少ない人は活用しやすいわ。
なんで?
TOEIC900点超えがおすすめな人
TOEIC900点超えは、誰にでもおすすめというわけではありません。
たとえば英語を勉強する目的が「映画を字幕なしで見たい人」は、TOEICの勉強でリスニング力を鍛えても遠回りになります。
このTOEIC最高レベルのスコアをフル活用できるのは、英語を使った実務経験が不足しているけれど仕事で英語を使いたい人です。
というのも、そもそも実務経験があれば資格は不要ですよね。
TOEICに限らず資格と言うものは、実務経験不足を補ってくれる役割があります。
私自身、やり直し英語で英語力を伸ばしたのでこの事を実感しました。
やり直し英語で英語力を伸ばした後に英語講師になったのですが、この際、高いTOEICスコアが非常に役立ったと感じます。
またTOEIC900点というスキルを使えば、英語力以外にも目標達成するために努力する姿勢をアピールできるでしょう。
個人的には、英語を使う環境にいないものの、これから英語力を武器にキャリアアップしたい人におすすめしたいスコアです。
まとめ
今回はTOEIC900点の実力、そしてその効果についてお伝えしました。
■TOEIC900点以上のスコアは受験者全体の3%強しかとれない難関レベル
■TOEIC900点以上を取ると就職や昇進に有利であり、英語力に自信がもてる効果もある
■TOEIC900点以上をとってもスピーキング力やビジネススキルが身に付くわけではないし、映画や日常英会話が万全に聞きとれるスキルが得られるわけではない
■TOEIC900点は、英語を使ってキャリアアップしたい人が活かせる資格
もしあなたが英語を使ってキャリアを上げていきたいなら、ぜひ日本で英語力を測る指標であるTOEICテストで最高峰を目指してみませんか。
なおTOEICスコアと仕事の関係はこちらの記事でも紹介しているのでお役立てください。