英語の受動態は日本語と使い道が違います。
英語では主語は省略できないので、主語をぼやかしたい時に困ります。
そいういう時に受動態を使えるのです。
つまり英語では、受動態の活用範囲が日本語より広い!
英語の受動態の3つの使い方を、例文を使って分かりやすく解説していきますね。
基本の受動態の作り方
とりあえず基本の受動態をおさらいしておきますね。
受動態は【be 動詞+動詞の過去分詞形+by】 で作ります。
能動態
Yoko painted that picture yesterday.
「ようこが昨日、あの絵を描きました。」
⇩
受動態
That picture was painted by Yoko yesterday.
「あの絵はようこによって昨日、描かれました。」
byは省略されることも多いです。
英語の受動態の3パターン
それでは、いよいよ受動態の使い方。
英語の受動態には次の3つのパターンがあります。
- 注意そらしの術
- 主語隠しの術
- 状態を表す時
これはまあ、慣用句みたいなものだから。
それじゃ早速、例文と一緒に見ていくわね。
注意そらしの術
まずは注意を向ける対象を変える時です。
たとえば、こちらの文を見てみてください。
2,773 people took the first TOEIC text in December 1979.
「2,773 人が1979年12月に最初のTOEICテストを受験しました。」
この文を見ると「へぇ、2773人が受けたんだ」と受験者数に注意が向きませんか?
やっぱり主語にくるものに相手の関心が集まるわけです。
ですが、受動態を使って次のように書けば「TOEICが最初に実施された」という事実を前面に出せますよね。
【受動態で書き換え!注意が向く場所を変える】
The first TOEIC test was taken by 2,773 people in December 1979.
「最初のTOEICテストは1979年12月に2,773人の人が受験しました。」
文章によって伝わる情報が大分変わった感じがしませんか?
もうひとつ例をお見せしますね。
こちらの文を見てみてください。
The police arrested the criminal yesterday.
「警察は昨夜犯人を逮捕した。」
少し違和感を感じません?
犯人を逮捕するのは警察に決まっているので、あえて言わなくても良い気がしませんか?
こういう時って「警察」より「犯人」のほうに注意を向けたいところですよね。
そこで通常はこのように受動態で表現されます。
【受動態で書き換え!強調するものを変える】
The criminal was arrested yesterday.
「昨夜犯人が逮捕された。」
こんなふうに、受動態を使えば当たり前すぎることも言わなくてすむわ。
最初に言われた言葉に注意がいくものね。
主語は大事よね!
それじゃ次のパターンね。
主語隠しの術
今のと少し似ていますが、主語を隠したい時にも受動態が使われます。
たとえば、こちら。
Tom made the serious error in yesterday’s newspaper.
「トム昨日の新聞で重大な間違いを犯した。」
こう書くと、明らかにトムを非難している感じになりますね。
ここで主語を”He” としたところで、やっぱり「犯人は1人の男性だな」と気づかれてしまう。
ですが受動態にしたらどうでしょう?
【受動態で書き換え!だれが行ったかを隠す】
The serious error was made in yesterday’s newspaper.
「昨日の新聞には重大な間違いが成されていた。」
こう書くと、犯人よりも「重大なマチガイ」という事実に目が向きませんか?
またあえて犯人のことを言わなくてすむ。
受動態を使えば、こんな便利なこともできちゃうわけです^^
都合が悪いことを隠せるっていいよね。
たしかに!
それじゃ次に、状態を表す時ね。
テストでも大事な慣用句的な使い方よ!
状態を表すとき
受動態は状態を表す時にも使います。
I am interested in playing the piano.
「私はピアノを弾くのに興味があります。」
interested のあとは in とくるのが決まり文句。
動作ではなく状態を表した受動態は、こんなふうに決まった前置詞を取るものが多くあります。
テストでも狙われがちな部分なので、覚えたほうが良い表現をまとめておきますね。
【受動態慣用表現】
受動態表現 | 意味 |
---|---|
be absorbed in | に夢中になる |
be accustomed to | 慣れる |
be addicted to | 夢中になる |
be astonished at | びっくりする |
be based on | 基づいている |
be covered with | で覆われる |
be crowded with | 混雑する |
be dedicated to | に専念する |
be devoted to | に専念する |
be disappointed with/at | /に失望する |
be engaged in | に従事する |
be equipped with | 装備する |
be filled with | で満たされる |
be impressed with | 感動する |
be interested in | 興味がある |
be involved in | 関与する |
be limited to | に限定される |
be made from | から作られる(見た目で分からない) |
be made of | から作られる(見た目で分かる) |
be opposed to | 反対する |
be prepared for | 準備する |
be provided with | 提供される |
be related to | に関連する |
be satisfied with | に満足する |
be used to | 慣れている |
うっいっぱいある!
でも意外と、昔覚えたことがあるものが多いわね。
学生の時に覚えた表現も多いわよね。
思い出してみてね。
最後に、時制のことも説明するわね。
TOEICテストで重要よ。
TOEICで大事なら、がんばって理解するわ!
英語の受動態の時制
英語の受動態に慣れてきたところで、最後に時制との組み合わせを解説しますね。
受動態は過去形・完了形・現在進行形でよく登場します。
また助動詞と組み合わさることも多い。
どんなふうに文を作っていくのかお見せしますね。
受動態と現在進行形
受動態と現在進行形が組み合わさると、【be動詞+”being”+過去分詞形】で文を作ります。
The boxes are being wrapped.
「箱は今包装されているところだ。」
Be動詞がふたつ連なった感じになって違和感があるかもしれませんが、ぜひ慣れてください。
この【受動態×現在進行形】の組み合わせは、TOEICテストパート1で良く出てきます。
パート1は写真を見ながら「今まさに何が起こっているか」正しく描写している選択肢を選ぶ問題。
上記のように物を主語にした現在進行形の文が出てきやすいのです。
受動態と過去完了形
受動態と過去完了形は【have+Be動詞の過去完了形+過去分詞形】を使って文を作ります。
The boxes have been wrapped.
「箱は包装されたところだ。」
現在進行形との違いは「既に終わった」状態である点。
この形もTOEICテストパート1に出題されます。
受動態と助動詞
受動態と助動詞の組み合わせは、TOEICパート7の長文問題でもよく見られます。
【助動詞+Be動詞原形+過去分詞形】の形ですね。
The formal document should be written clearly.
「公文書は、明確に記載されるべきです。」
“should ” は「~する必要がある」「~することが望ましい」といった意味です。
まとめ
今回は受動態についてご紹介しました。
■英語の受動態は日本語と使用法が異なる
■【強調するものを変える時】【主語を隠す時】【状態をあらわす時】に受動態が使われる。
■様々な時制や助動詞と組み合わせた使い方を覚えておくと便利
受動態を使いこなすと、より英語らしい表現が身に着きますよ。
なおTOEICパート1では受動態が良く出ますが、対策はこちらの記事が役立ちます。
受動態が実際の問題でどう出てくるかも解説しています。