仮定法ってなに?
それは本当じゃないこと。
くまたくん、今欲しいものある?
新しいゲーム!
お金があったら買うのになぁ。
そう、それが仮定法。
くまたくんはお金がないのが現実!
この現実と違うことを伝えるが仮定法よ。
すっごくよく分かった!
仮定法は「ああ、こうだったらなぁ!」という後悔や願望を表現するもの。
現実との距離に隔たりがあるため、過去形を使います。
色々なルールが面倒な文法ですが、使う場面と気持ちは理解できますよね^^
テストで狙われるトラップと共に、例文を使ってわかりやすく解説していきます。
仮定法の意味
まずは仮定法の意味をもう少し掘り下げてみましょう。
仮定法は次の3つの意味を表現できます。
- 事実と反対のこと
- 現実不可能なこと
- 期待・願望
基本の作り方は次の通り
if + 過去形, 助動詞の過去形の文
If Kumata had more money, he could buy the game.
「もしくまたがお金持ちなら、そのゲームを買えるのに。」
ちなみにメインは前半のifではなく、後半の助動詞が入った文章。
助動詞についての記事で説明していますが、助動詞には「気持ち」を伝える役割があります。
助動詞付きの後半部分に「こうしたかったのに」「こうだったらなぁ」という強い気持ちをこめているのです。
たしかに、『ゲームを買いたい』って部分に気持ちがこもるよ。
仮定法、なんだか分かるなぁ!
使う場面は分かりやすいんだけど、ちょっとルールが面倒なのよね。
ifには3つの時制があるわ。
仮定法の3つの時制
まずは3つの時制から確認していきましょう。
直接法
if you meet him, please give him my regards.
「彼に会ったら、よろしく伝えておいてください。」
ifの後が現在形の場合は、仮定法ではなく直接法といいます。
実際に起こる可能性がある事をいいます。
仮定法過去
If I were you, I would do the homework now.
「私があなたなら、今宿題をするのだけど。」
私があなたに入れ替わるなんて、不可能ですよね。
現実ではムリなことを言うのに仮定法過去を使います。
過去形を取っていますが、これは時制としては「現在」を示しています。
仮定法過去完了
If I had studied harder, I could have passed the exam.
「もっと一生けん命勉強していたら、テストに合格していたのに。」
現実はテストにちゃんと勉強しなかったので、不合格だったわけですね。
このように仮定法過去完了は、実際には行わなかったことを示します。
仮定法大過去と言ったりもしますが、完了形を使って過去よりも前の事を表現します。
大過去も、気持ちわかるなぁ!
あの時ああしていれば、って感じだね。
あるあるよね。
でも仮定法って、やっぱりルールが面倒だね。
Iの後にwereをもってくるとか。
そうよね。
これは昔の英語の名残とも言われているわ。
どういうこと?
英語の文法ってもっと複雑だったんだけど、どんどん簡略化されているの。
そういった中で、こんなふうに昔のままの形が残っているってこと。
へぇ。
もし if I was ってしても通じる?
ええ。
でもテストや書き言葉ではやめておいたほうが良いわね。
言葉って生きている感じがするね。
仮定法の文って、他にどんなのがあるの?
それじゃ、テストに出そうな例文をするわね。
色々な仮定法表現
ここからは慣用句的な仮定法の表現を紹介しますね。
ifが付いて明らかに仮定法と分かるものと、ifが付かないもの、2種類に分けていきます。
ifあり仮定法表現
まずはifがつく表現から。
as if / as though「まるで~かのように」
You know what I want, as if you read my mind.
「まるで私の心を読んでいるかのように、あなたは私が欲しいものが分かる。」
as if を使うと、ちょっと格好のよい表現が作れますね。
if only「~さえしていたら」
If only I could meet her.
「彼女に会えさえしたら。」
こちらもビシッと決まる表現が作りやすい言い回しですね。
if it were not for「もし~がなければ」
if it were not for your support, I wouldn’t succeed.
「あなたの助けがなければ、成功していないでしょう。」
ちょっと長い表現になりますね。
ちなみに仮定法完了形になると、さらに長くなります^^;
If it had not been for your help, I wouldn’t have succeeded.
「あなたの助けがなかったならば、成功していなかったでしょう。」
なんだか舌をかみそうな表現だなぁ!
実はこれ、もっと短く言えるの。
ここも含めて、次はifなし表現にいくわね。
ifなし仮定法表現
ここからはif節がない表現。
仮定法と分かりにくいだけに、こちらのほうがTOEICなどでもよく狙われる感じがしますね。
しっかり見抜いていきましょう^^
without「~がなければ」
まずは先ほどの表現を言い換えます。
If it had not been for your help, I wouldn’t have succeeded.
⇒Without your help, I would’t have succeeded.
「あなたの助けがなかったならば、成功していなかったでしょう。」
すごくコンパクトになりましたよね。
このようにwithoutは非常に便利な表現で、よく使われます。
wish「~ならいいのに」
I wish I were thinner.
「もっとヤセたらいいのに。」
wishは現実には起こらなそうなことを表現します。
ヤセたいけどムリだろう、と思っている文ですね^^;
ちなみにwishはhope「期待する」と似ていますが、ニュアンスは大きく異なります。
hopeは現実に起こりそうなことを指します。
提案・命令・要求を示す動詞
最後は一番面倒なものを持ってきました。
これは言い回しというより、「提案・命令・要求」を示す特定の動詞+that節 にひそむトラップ。
実は特定の動詞の後のthat節ではshouldを使う決まりになっています。
It is requested that he should attend the meeting.
「彼は会議に出席することが求められている。」
さらにこの “should” がよく省略される!
heの後に動詞の原形がくるので文法ミスに思えるかもしれませんが、正しい文。
このあたり、TOEICパート5あたりで狙われるので気を付けてください。
提案・命令・要求を示す動詞をまとめておきますね。
【提案・命令・要求を示す動詞】
ask | 尋ねる |
command | 命じる |
demand | 要求する |
insist | 主張する |
order | 注文する |
recommend | すすめる |
request | 要求する |
require | 要求する |
suggest | 提案する |
また面倒なルールだなぁ。
メンドウなところほど、知っておけば有利よ。
shouldの省略は狙われやすいから気を付けてね。
まとめ
今回は仮定法についてお伝えしました。
■仮定法は現実には起こらないことを伝える表現。
■if節ではなく、助動詞の入った後半の文に気持ちがこもっている。
■ifが付く場合と付かない場合がある。
■ifが付かない表現、特に[提案・命令・要求]を示す動詞+that節はテストで狙われやすい。
面倒なルールはありますが、仮定法を使えると表現の幅がグッと広がります。
悔しい思いや残念な気持ちを上手に伝えていきましょう^^
仮定法でも大活躍の助動詞の使い方は、こちらの記事が役立ちます。