助動詞って、似たようなものがいっぱいあって使いにくいわ。
意味も【推量】とか【可能性】って言われても、良く分からないよ。
そうよね。実は助動詞が大事なのは、自分のキモチを伝えられるからなの。
キモチ!?
そう。今回は助動詞がスッキリ分かるように説明するわね。
助動詞は実は話し手の気持ちを伝えるという役割があります。
この役割から理解していくと、各助動詞の微妙なニュアンスも感じ取れるように。
今回はキモチとニュアンスから、助動詞を解説していきますね。
助動詞が分かれば気持ちを上手に伝えられ、また長文を読む時にも文章のトーンが感じられるようになりますよ。
助動詞の役割
それではまずは、助動詞の役割から。
助動詞を使うことで話し手の「こうじゃない?」という推測の気持ちと、相手に対する尊敬の気持ち、大きく分けてこの2つの想いを伝えられます。
「こうじゃないの」という推測の気持ち
助動詞は話し手の「こうじゃないの?」という気持ちを指します。
たとえば、こちらの文章をみてください。
These are not her shoes.
「これらは彼女の靴ではない。」
まあ、「そうか」という感じですよね。
ところが、こう来たらどうでしょう。
These can not be her shoes.
「これらは彼女の靴であるはずがない。」
助動詞 “can” が加わっただけで、文章のニュアンスがガラリと変わりませんか?
2つ目の文章には、最初に文章にはない話し手の判断・想いが加わっていますが、これによって文章の雰囲気が違ったものになるのです。
相手に対する尊敬の気持ち
もうひとつ、助動詞は相手に対して許可やリクエストを求める時にもよく使われます。
たとえばこう言われたらどうでしょう?
Please call me back later.
「後で折り返し電話ください。」
ちょっと冷たい感じがしませんか。
一方、助動詞を加えたこちらの表現はどうでしょう。
Could you call me back later?
「後で電話を折り返していただけませんか?」
一気に礼儀正しく、丁寧な表現になりませんか?
助動詞を使うと話し手の相手に対する尊敬の気持ちや丁寧な態度を伝えられるのです。
助動詞って、便利だね。
助動詞がないと、なんだか関係がギスギスしちゃいそう。
英語には日本語みたいな丁寧な表現があまりないって思っていたけれど、丁寧に言いたい時には助動詞を使えばいいのね。
そう!
助動詞の基本の役割が分かったところで、色々な助動詞を紹介するわね。
主な助動詞と使い方
助動詞 | 可能性推測 | 能力 | 許可 | 要望 | 申し出 | 提案義務 |
---|---|---|---|---|---|---|
can | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
could | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
have to | 〇 | |||||
may | 〇 | 〇 | 〇 | |||
might | 〇 | |||||
must | ◎ | 〇 | ||||
shall | 〇 | |||||
should | ◎ | 〇 | ||||
will | 〇 | 〇 | ||||
would | 〇 |
うっ・・・たくさんある。
これから意味ごとに解説していくけど、暗記しなくって大丈夫!
使いやすいな、と思えるものをいくつか見つけてみてね。
可能性・推測の助動詞
可能性・推測を示す助動詞 | can, could, may, might, will, must, should |
---|---|
意味 | 「~だろう」「~にちがいない」 |
メモ | mustとshouldは確信がある時 |
“may” と “must” を変えるだけで、文のニュアンスはこんなふうに変わります。
She may know about that event.
「彼女はその出来事について知っているかもしれません。」
She must know about that event.
「彼女はその出来事について知っているに違いない。」
“must” や “should” を使うと「こうだ!!」と強い確信を示せます。
そう思えるだけの確固たる理由がある、という時に使えます。
「たぶん、こうだと思うのだけど・・・」という時には、“may”を使っておいたほうが、たぶん無難でしょう^^
能力の助動詞
能力を示す助動詞 | can, could |
---|---|
意味 | 「~できる」 |
メモ | be able to で言い換え可能 |
I can swim.
「私は泳ぐことができます。」
となります。
過去形ならば、canをcouldに変えます。
I could swim.
「私は泳ぐことができた。」
ちなみに “can” は “be able to” と置き換えられますが、こうすることで、表現の幅が広がります。
というのも、”be able to” は助動詞ではないから!
助動詞は1つの文章の中に1個しか置けないルールなので、こういう文は不可能です。
× I will can speak French within 3 months.
「私は3ヵ月以内にフランス語を話せるでしょう。」
ですがここで “can” を “be able to”に変えると、文としてOKになるのです。
〇I will be able to speak French within 3 months.
「私は3ヵ月以内にフランス語を話せるでしょう。」
ちなみに “be able to” はフォーマルな感じになるので、会話では “can” のほうが自然です。
また過去形の場合にはややニュアンスが変わり、”was able to” は「その時だけできた」という意味になります。
許可の助動詞
許可を示す助動詞 | can, could, may |
---|---|
意味 | 「~しても良い」 |
メモ | mayのほうがフォーマル |
カジュアルな文だと「~してもいいよ」といった感じで訳します。
“may” は “can” よりもフォーマルな度合いが強く、「~しても良いですよ」「~できますよ」といった意味で使われます。
Each student mayuse 10 coupons each year.
「各学生は毎年10枚のクーポンを使用できます。」
要望の助動詞
要望を示す助動詞 | can, could, will, would |
---|---|
意味 | 「~してくれませんか」 |
メモ | 過去形の助動詞のほうが丁寧 |
Could you send it as soon as possible?
「できるだけ早く送っていただけますか?」
なにかをお願いする時に “can” “could” “will” “would” は非常に良く使われます。
丁寧度合いでいえば、過去形になっているほうが丁寧度合いが高い!
【丁寧度レベル】
can, will < could, would
ビジネスメールなどでどれを使うか悩んだら、 “could you” を選ぶと安全ですね。
申し出の助動詞
申し出を示す助動詞 | can, may, shall |
---|---|
意味 | 「~しましょうか」 |
メモ | would you like me to も使われる |
Can I help you?
「手伝いましょうか?」
なお、”shall” は最近は使われない、少し古臭いとも言われています。
何かを丁寧に申し出る時には “would you like me to” もよく使われます。
Would you like me totake a picture?
「写真を撮りましょうか?」
提案・義務の助動詞
提案・義務を示す助動詞 | could, have to, must, should |
---|---|
意味 | 「~すべきです」 |
メモ | mustは使わないほうが良い |
やわらかい提案なら “could”、強めに 推奨するなら “should”が使えます。
フォーマルな文書にもよく “should” が使われていますが「~したほうが良い」という感じになります。
一方 “have to” や “must” は【義務】を課す雰囲気になるので要注意!
特に “must” は命令している感じになるので、使わないことをオススメします。
You must send it by Friday.
「金曜日までにそれを送らなければならない。」
*「送れ!」というニュアンスがこもる。
助動詞って、色んなニュアンスがあるのね!
使い分けることで、気持ちを伝えられるのね。
そう!お願い系は、丁寧度合いを覚えておくと便利よ。
推測系は、確信度別に、使い分けてみてね。
なるほど。
くまたが宿題をしていないのでは、と言う時ってどうかしら。
推測だけど、ほぼ確信しているから・・・
“Kumata must not have finished his homework.”
「くまたは宿題を終えていないに違いない」となるわね。
う。そんなに赤い字で強調しなくても。
まだ宿題終わっていないけど。
長文読解の中での助動詞
助動詞の役割、使い方をみてきたところで、最後に長文読解の中での使われ方もチェックしておきましょう。
次の文章が分かれば、長文内の助動詞もバッチリですね。
最初の助動詞 “should” は「提案・義務」、2つ目の助動詞 “might” は「推測」の意味になります。
分かりにくいと感じたら、次のように区切ってみてください。
ちゃんと訳すと、こうなります。
TOEICではチャットのようなカジュアルな文とフォーマルな文、両方でてきます。
フォーマル系では “should” のような助動詞が結構良く出てきます。
助動詞からも文章の雰囲気を感じ取ってみてくださいね。
まとめ
今回は助動詞を説明しました。
■助動詞は話し手の気持や想いを伝えられる。
■助動詞によって文章のニュアンスが変わる
■推測系の助動詞は、推測度合いに応じて使い分ける
■お願い系の助動詞は、過去形を使うほうが丁寧
■使わないほうが良いもの、使い方に注意が必要なものもある
是非お気に入りの助動詞を見つけて、文章を作ってみてくださいね。
助動詞を上手に使うと、英語のレベルがまた上がっていきます!