TOEIC長文問題をスラスラ読むコツ、2回目は動詞について。
前回ご紹介した方法で主語を読み解いたら、次に文の骨組みを成す動詞を探していきます。
主語と動詞という基本構造が見抜ければ、長文を理解する速度もアップします!
動詞の見つけ方、ちょっと面倒な英文を使って解説していきますね。
英語の主語と動詞の関係
まずは主語と動詞の関係について、改めてお伝えします。
地味ながらすごく大事な点です。
英文は、命令形以外すべて5つの文型のどれかで形作られます。
そしてこの5文型全てに共通している点は「主語」+「動詞」で始まること。
1つの文には必ず核となる主語と動詞がひとつずつあり、これが英文の土台を形作っているのです。
そして動詞は、主語が何かによって形が変わります。
たとえば主語が三人称単数なら動詞の語尾にSがつきますし、複数形なら動詞は原形になります。
日本語は主語によって動詞が変わることがないためイマイチ感覚が分からない部分ですが、ここが非常に重要なポイント。
英文を解釈する時にはぜひ主語を見抜き、その後に主語に合った動詞を見抜くようにしてみてください。
複雑な文でも理解できるようになります。
複雑な文での動詞の見つけ方例
では実際に主語によってどのように動詞を予測したら良いのか、そしてどのように文を理解していったら良いか。
3つのメンドウな例をお見せしながら、解説していきます。
核となる動詞の見つけ方例①三人称単数
まず最初は、三人称単数形が入った文です。
【例文①動詞の三人称単数形】
TOEIC Listening and Reading Test consists of 200 multiple-choice questions divided between four listening and three reading parts and takes two hours to complete.
「TOEICリスニング&リーディングテストは4つのリスニングパートと3つのリーディングパートに分かれて配分された200問の多項選択問題からなり、終えるのに2時間かかる。」
-Oxford University Press “A Teacher’s Guide to TOEIC Listening and Reading Test“
長くてクラっときますが、まず落ち着いて主語がどれかを考えてみましょう。
”TOEIC Listening and Reading Test” ですよね。
次に動詞を探すわけですが、この主語の形から、現在形であれば動詞は語尾にSがつく三人称単数形になると予測できます。
この1文の中には三人称単数形になった動詞が2つあります。
こうして考えると、文の構造が見えてきますね。
なお”divided” は、名詞 “questions” を説明している分詞です。
分詞部分を抜かして文を考えてみると、さらに構造が分かりやすくなります。
「TOEICリスニング&リーディングテストは200問の多項選択問題からなり、終えるのに2時間かかる。」
このように主語を押さえて、そこから動詞の形を予測して文章を理解していくと、複雑な長文も理解えいやすくなります。
ちなみに三人称単数形は、一人称(私)でもなく、二人称(あなた)でもなく、そして複数形でもないものすべてが該当します。
主語 | 例 | 現在形での動詞の形 |
---|---|---|
私 | I | 原形 |
あなた | You | 原形 |
複数形 | We, They, Flowers, | 原形 |
それ以外すべて | He, She, Hiroko, Pencil | 三人称単数 語尾にSが付く! |
守備範囲、意外と広いんです!
主語が私でもあなたでもない、そして単数形なら、現在形の動詞は最後にSが付く。
この鉄則を、とことん覚えておいておいてくださいね。
日本語にない概念なので落とし込むまで時間がかかるのですが、英文を理解する上で、非常に役立ちますよ。
核となる動詞の見つけ方例②助動詞
二つ目の動詞は、助動詞が付いたもの。
たとえばこちらの文です。
【例文②動詞に助動詞が付く】
The negative effect that a gigantic earthquake might cause should be carefully considered.
「巨大地震が引き起こしうるネガティブな影響について注意深く考える必要がある。」
まずは主語がどれかを考えていきます。
この文は関係代名詞のおかげで主語が長くなっていますね。
こういった場合は前回の記事でご紹介したとおり、関係代名詞が修飾している単語を探してみましょう。
今回の文では”effect”がこれに当たりますが、これが主語の中でキーとなる単語。
関係代名詞は”effect”を修飾しています。
主語を見つけた後は、動詞を探しながら文を読んでいきます。
主語のあとに助動詞+動詞が来たら、そこが動詞部分である可能性大。
この文では”should be considered”の部分ですね。
なお助動詞は今回のように受動態で使われることもよくあります。
助動詞+受動態表現に慣れておくと、こういった説明調の文が読み取りやすくなりますよ。
核となる動詞の見つけ方例③Be動詞
動詞の最後はBe動詞。
主語+Be動詞+形容詞または名詞という形になります。
A large number of Japanese companies who place importance on English ability are adopting TOEIC test as a way of screening candidates.
「英語力を重視する多くの日本の会社は、候補を選抜する方法としてTOEICテストを採用する。」
この文章の主語も長いですが、主語の中でキーとなる単語は”companies” です。
主語が複数形なので、Be動詞は”are”となりますね。
Be動詞の後に動詞の”ing”が来ている現在進行形の文章です。
ちなみに上記と似ていますが、次のような文章の場合はちょっと勝手が変わります。
【例文④Be動詞】
The number of Japanese companies who place importance on English ability is increasing.
「英語力を重視する多くの日本の会社は、候補を選抜する方法としてTOEICテストを採用する。」
この文章の主語は「英語力を重視する日本の会社の数」となり、主語の中でキーとなる単語は”number”になります。
そのため、Be動詞は単数形 “is”になります。
“number of” が主語に出てくる文では、この部分が形容詞的に使われているのか、または「~の数」と名詞として使われているかで動詞の形が変わります。
テストの引っかけ問題でよく使われるので、気を付けてくださいね^^
まとめ
今回は三人称単数・助動詞+動詞・Be動詞の3つの例を確認しつつ、動詞の見抜き方を解説してきました。
■動詞は主語によって形が変わる
■主語の中のキーとなる単語を見抜き、次にこれに合った動詞を探していく
上記のステップをふむと、構造が分かりにくい文でも理解できるようになりますよ。
主語については前回の記事で詳しくご紹介しているので、併せて読んでみてくださいね。