★登場人物紹介★
くまた:くまの男の子
くま美:くまたのお母さん。最近、英語を使った仕事で再就職をしたいと思っている
じゅんこ:英語やTOEICで悩んでいる人を見ると全力で助けようとするナゾの英語講師
くま太郎:くまたのお父さん。エンジニア。時々海外に出張にいっている
コーン社長:急成長中の企業のやり手社長
【くまたの家にて】
くま美:あなた、くまた、わたし、もう一度働いてみようと思うの。
くま太郎・くまた:えっ、どうして?
くま美:くまたも大きくなって、これからお金がかかる時期だし。私も稼ごうと思って。英語を使った仕事で再就職をしようと思っているの。
くまた:英語!お母さん、英語できるの?
くま美:学生時代は得意だったのよ。最近はあまりやっていないけど。
くまた:英語を使って働くなんて、かっこいい!ぼく、友達に自慢するよ。
くま美:くまた、ありがとう。でも、まだ早いわよ。
くま太郎:くま美は英語、得意だったもんな。残業のない仕事なら、いいんじゃないか。
くま美:ええ。実はこの求人広告に応募してみたの。明日面接にいくことになったのよ。
くまた:えっおかあさん、はやっ!
くま太郎:君は昔からつっぱしるところがあるよな。
ふんふん。仕事内容はいいんじゃないか?ただ、TOEICあれば尚可って書いてあるけど。
くまた:トイック?なにそれ。
くま美:英語のテストだと思うんだけど。
でも、今から取るなんて間に合わないわ。大丈夫よ。
「未経験でもOK」って書いてあるし。
くまた:うん、きっと、そうだよ!
くま太郎:うーん。まあ、がんばってこいよ。
くま美:ええ!
【次の日の午後】
くまた:ただいまー。あれ、お母さん、いないの?
くまた:おかあさん、どうしたの!?
あれ、そういえば今日、面接だったよね。どうだった?
くま美:落ちたわ。
くまた:そ、そうなんだね。でも、きっともっといい仕事があるよっ
くま美:ないわよ。
私なんて、どうせ、だめだわ。
英語なんて、もう、どうでもいいのよ。
くまた:うぅ・・・おかあさん、強烈にマイナスパワーを発している。
どうしたらいいんだろう。
あれ、こんなときに、玄関のチャイムがなってるっ!
(ピンポーン)
くまた:はい、はい、どなたですか?
じゅんこ:はじめまして。私、通りすがりの英語講師です。
くまた:英語講師?
えっと、なんのご用ですか?
じゅんこ:この家から強烈な「英語キライ」パワーがでていたので、気になって見に来ました。何かありました?
くまた:えっ!お母さんのマイナスパワーって、外から分かるぐらいなの!?
じゅんこ:困っているのは、お母さんなのね。ちょっと、あがらせてもらうわっ。
くまた:えぇっ!あっちょっと、靴を履いたまま・・・。
じゅんこ:はじめまして。あなたがマイナスパワーを発していたのね。
よかったら、何があったか教えてくれます?
くま美:うぅ、どうせ私なんて。コーン社長の言うとおりだわ。
くまた:お母さん、この人のこと、あやしまないんだね。
じゅんこ:コーン社長?ひょっとして、キツネ商社の社長かしら。
くま美:はい。今日、面接を受けにいったのです。そうしたら・・・
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【コーン社長のオフィスにて】
コーン社長:ふんふん。熊野くま美さん、ですね。
結婚してから会社をやめて、それから働いていないんざますね。
くま美:はい。
コーン社長:どうしてうちの仕事に申し込んだざますか?
くま美:それは、その、世界においなりさんを広げるという御社の理念に共感したからです。
コーン社長:共感、ざますか。うちのおいなりさんは他社とは全然違うんだけど、その理由、知っています?
くま美:えっと、その、すいません。おいしいからですか?
コーン社長:ふぅ。ところで、うちの仕事は基本残業はないざます。ただ、ものすごく忙しくなってしまったときは、残ってもらえると嬉しいざますが、大丈夫ですか?
くま美:えっ、その、すいません。ちょっと残業は無理で。
コーン社長:そうざますか。ところで、なにか特技とか、資格とかあるざますか?
くま美:えっと、とくには何も。学生時代は英語が得意でした。
コーン社長:TOEICは何点ざますか?
くま美:受けたことないのですが、これからがんばろうと思います。
コーン社長:これからがんばる、ざますか。
くま美:はいっ、なんでもやりますっ。
コーン社長:もう、いいざます。
くま美:はい?
コーン社長:あなたみたいな本気でない人にこられても、迷惑ざます。
お引き取りくださいな。
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【くまたの家にて】
くま美:うっうっ。私、なぜ断られたのかわからなくって。きっと、こんなにブランクがあって、もう若くもない私なんて、やりたい仕事をするなんて、贅沢はいえないんだわ。
くまた:おかあさん・・・
じゅんこ:くま美さん、そんなふうにあきらめちゃうの、くやしくないですか?
あきらめる前に、全力を尽くしたらいいじゃない?
くま美:全力って・・・何をどうしたらいいのか。
くまた:TOEICを受けたらいいじゃないか。
くま美:TOEICを?
くまた;うん。だってそのコーン社長は、TOEICっていうテストの点数をきいたんでしょ。
高い点数をとって、ぎゃふんと言わせてやったらいいよ!!
くま美:無理よ。だって、どうやって勉強するかも分からないし。
じゅんこ:私が教えましょうか。
くま美:えっ。
くまた:あっ、そうだ、英語講師って名乗っていたもんね。お願いします!
母にTOEICを教えてあげてください。
くま美:くまた、失礼よ。っていうか、きっとお値段がはるわよっ
じゅんこ:無料でいいですよ。
くま美:えっ!
じゅんこ:実はコーン社長には個人的に伝えたいことがあって。
くま美さんには、コーン社長をびっくりさせるまで本気でやってもらいますけど、大丈夫?
くま美:本気で、がんばる・・・
くまた:お母さん、できるよ!ぼくも応援するよ。
じゅんこ:私がいるから、大丈夫。一緒にやりましょう。
くま美:なんか、そういわれると大丈夫な気が・・・。
わかりました、私、やりますっ!やってやるわ!!
くまた:お母さん、かっこいい!
じゅんこ:その意気よ、くま美さん。じゃあ、みんなで、エイエイオー!
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